TOP ベトナム経済 ベトナムへの生産拠点多元化によるサプライチェーン強靭化支援対象15社に最大50億円の補助金が決定

ベトナムへの生産拠点多元化によるサプライチェーン強靭化支援対象15社に最大50億円の補助金が決定

by Mai Tran

はじめに

新型コロナ影響の背景による、「チャイナ・リスク」の対策を目的として、多くの日本企業は中国を離れ他の国の地域(特にASEAN諸国)に生産拠点への移転・多元化やサプライチェーン強靭化などが注目されています。

そこで本記事では、最近ベトナムに生産拠点を多元化することでサプライチェーン強靭化に取り組んでいる事業を支援する対象15社を決定したことについて書かせて頂きます。

日本企業15社がベトナムに生産拠点を多元化することでサプライチェーン強靭化

7月17日、 Bloomberg新聞の情報によると、日本経済産業省(METI)は「生産拠点を多元化によるサプライチェーン強靭化支援事業」で採択された企業のリストを発表したようです。それによると、生産拠点の国内整備へ57社に計574億円で、海外の生産増強へ30社に計約120億円の補助金を出すということです。企業リストの中には、有名な大手電機メーカーであるシャープや生活用メーカーのアイリスオーヤマも含まれています。

7月23日、ベトナムで「ベトナムに生産拠点多元化でサプライチェーン強靭化支援事業の15社」について記者会見により、日本貿易振興機構(JETRO)の代表中島氏は、第一次公募受付で審査された結果124社の中に、中国からASEAN諸国に生産拠点多元化でサプライチェーン強靭化する30社のうち15社がベトナムを選択したことになっていると述べました。

イメージのソース: tuoitre.vn

特に中島氏は、今回の支援事業の目的として、ある国から他の国に生産拠点移転ではなく、企業の生産拠点多元化でサプライチェーン強靭化を支援し、日本とASEAN諸国の経済産業協力関係を強化にすることと強調しました。それに加えて、生産拠点移転する企業はこの支援事業の対象外になったと追加しました。

第一次公募において、ベトナムの15社の中に、6社が大企業であり、9社が中小企業となります。企業リストが次の通りです。

・6社の大企業は:信越化学工業、日機装、HOYA、マツオカコーポレーション、メイコー、ヨコオです。

・9社の中小企業は:秋葉ダイカスト工業所、井上鉄工所、エイブル山内、昭和インターナショナル、テクノグローバル、橋本クロス、フジキン、ブラス、プロニクスです。

なぜ日本企業はベトナムへ投資・生産拠点多元化でサプライチェーン強靭化を選択するのか?

今回、ベトナムへ投資・生産拠点多元化でサプライチェーン強靭化として、日本企業がベトナムを選択したのは様々な理由があると思われます。考えられる主な以下の理由を見ていきましょう。

① コストの安さ:アジアにおいて、日本企業は中国、韓国、台湾等のサプライチェーンを設置したが、その地域でコストがより高くなっていきます。そして、多くの日本企業が東南アジア諸国へ生産を拡大する傾向にあります。東南アジア諸国の中で、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア等と比べて、ベトナムとミャンマーが最も低コストです。

② 日本語人材の豊富さ:ベトナムでは、日本語を話せる人材が多いです。

③ コロナ対策の成功:コロナ時代において、最近ベトナムも第2波の流行へ突入し始めたが、他の国と比べてベトナム政府が感染状況をうまく抑制できています。

④ 政治状況の安定:東南アジア諸国の中で、ベトナムの政治体制が比較的に安定していると言えます。近年、人口の規模や、消費市場や、外国投資資本(FDI)の体制などが海外企業に対してベトナムのメリット点だと評価されています。

⑤ 友好な外交関係:ベトナムは日本とCPTPP協定に合意し、EUと自由貿易協定を署名し、米国との関係も友好になりました。それが、ベトナムに生産拠点を設置する場合、日本企業に対して非常に便利と言えます。

⑥ 生産能力の高さ:今回、15社の中、半分以上が医療用マスク・製造機器や、防護服業界の輸出を活動しているようです。ベトナムでは、多くの繊維・アパレル企業が高い能力と評価されている国です。従って、それが一つの理由と考えられます。

1社当たり最大50億円まで支援

第一次補正予算で、補助金は1社あたり100万円〜50億円の範囲で支援されています。それぞれのプロジェクト規模によって支援の割合が異なります。補助金を受け取るには、2025年3月までにベトナムでの工場の建設が完了され、承認されなければならないです。特に、医療用機器の場合、締め切りが2023年3月までになります。

また、JETROを通じて補助金が支給されます。

終わり

コロナ禍をきっかけに「チャイナ・リスク」や、サプライチェーンの脆弱性への対策として、東南アジア諸国、特にベトナムへの生産拠点の多元化が進んでいます。

今回ベトナムが東南アジア諸国より様々なメリットを持って、多くの日本企業が投資先を選択するようになりました。しかし、将来自らの競争力を維持し高めるため、上述したメリット以外にも自らのメリットを生み出させることが必要です。それに加えて、行政手続きや、汚職の課題を解決できれば、より多くの大手企業のベトナムへの投資が見込めるでしょう。

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