TOP テクノロジー ベトナム・ホーチミン市が2月10日から電子納税システム「eTax」を導入

ベトナム・ホーチミン市が2月10日から電子納税システム「eTax」を導入

by Van Nguyen

はじめに

ベトナムのホーチミン市当局(HCMC)は今般、この2月10日からワンストップ電子納税システム「イータックス(eTax)」を導入することを発表しました。

既に、首都であるハノイでは、HCMCに先立って2019年5月6日に、同システムを導入し、運営しています。

HCMCではこれまで、納税者が自分で税金の申告をしたり、税金を支払ったりする場合、それぞれに全く別のウェブサイトから手続きを行う必要がありました。

この統合システムの稼動に伴い、今後の納税システムの効率化が期待されます。

これについてみていきましょう。

ベトナムの税金種類

ベトナムにおける主な税金としては、次のものが挙げられます。

(1) 法人所得税 

(2) 付加価値税

(3) 個人所得税 

(4) 外国契約者税

この他にも、国税として次の税金が課せられます。

(5) 特別消費税

(6) 天然資源税

(7) 非農地使用税

(8) 環境保護税

(9) 輸出入関税 

picture source tuoitre.vn

ベトナムの納税条件(例)

例えば、ベトナムの代表的な税である「法人所得税」(CIT:Corporate Income Tax)について、その概要をみていきます。

CIT の申告では、四半期ごとの予定納税と、年度末の最終確定申告(以下、「年次申告」といいます)を行う必要があります。

CIT の予定納税は、四半期終了後 30 日以内に、年次申告については、会計年度末(期末決算日)より 90日以内に行います。

これは一例ですが、定められた納税条件と、実際にそれを運用する段階では、様々な乖離(かいり)や問題点もあり、ベトナム全体としての課題でもありました。

ハノイの先例とeTaxの利便性

HCMCに先立って、昨年5月にハノイで導入されたeTaxシステムは、これまで市内の各企業が利用していた電子申告システム「iHTKK」と、電子納税システム「NTDT」を廃止し、統合されたものです。

HCMCでも、今回、ハノイとほぼ同様の考え方と理念に従って導入されます。

eTaxは、これまで個別に運営されていた納税申告システムの機能を、漏らすことなく全て反映しているだけでなく、納税者にとっても、利便性の高い新しい機能を有しています。

納税者は、eTaxを利用することで、以前のように、それぞれ連携せずにバラバラに運営されていた、様々なアプリケーションにアクセスする必要がなくなり、この単一システムを利用することで、あらゆる税金に関する申告から納税、還付、税務情報の検索など、すべてのステップを簡単に実施することが可能となりました。

所轄する税務総局は、ハノイ市をはじめとして、今後HCMCを含む全国15省と市でeTaxの導入を順次展開すると発表しました。

HCMCでも、この2月から導入されるeTaxでは、税申告から税金還付まで、あらゆる税金サービスをワンストップで処理できるようになります。

なお、HCMCでは、今回のeTaxの導入に備え、2月7日から9日までの3日間は、税申告と電子納税のサービスを一時的に停止することとしています。

これにより、過去の税金書類や、税務機関からの通知更には税金情報などの検索も可能となります。

日本での実例

日本でのeTaxは、2004年2月に名古屋国税局管内で運用を開始し、同年中に全国に拡大していきましたので、既に15年以上の運用実績があります。

直近の実績についてみると、2019年9月9日に国税庁が発表したデータによれば、2018年における主な状況は次のとおりです。

所得税申告における

①e-Tax利用率…57.9%

②ICT活用率…82.9%

①と②の差は、同システムを利用して書類を作成後、税務署に書面で提出したものです。

従って、eTaxシステム利用は8割を超えるレベルに達しているといえるでしょう。

ベトナム企業での利用実績

上記にみた、eTax導入における「先輩」である日本の利用率が約8割であるのに対し、ベトナム(ハノイ)での実績はどうでしょうか?

ベトナム税務総局が発表したデータによれば、2019年6月20日時点で、ハノイにおける電子納税システムを利用している企業は72万3,667社で、活動中の企業のなんと99.8%に達しています。

新システム導入開始からわずか1ヶ月でこの圧倒的な普及率なのは、驚きです。

やはり、ドイモイ(政経分離)政策で経済が発展しているとは言え、共産党支配の国なので、末端まで制度の統制が取れているのだと思われます。

この他にも、税金の電子還付の利用は全国63省・市に拡大しており、システムを利用する企業は5,582社、還付額は約2,380億円にも上っています。

このように、ベトナムでは、今般のHCMCでの導入を含め、電子納税システム利用が急速に拡大していくことでしょう。

まとめ

1億人に迫る人口を抱え、ますます経済発展が続くベトナム。

その最大の商都であるHCMCで、この2月からいよいよeTaxが導入・運営されることとなりました。

ハノイの前例を見るまでもなく、政策的にも「あっという間に」普及することは疑いないでしょう。

この効率的なシステム導入によって、企業活動が更に円滑に進むことを期待したいものです。

著者プロフィール
ペンネーム:トビウオ
マレーシア(KL)在住 海外経験はこの他にヤンゴン(2回)、ホーチミン、海外40都市への出張経験があります。
早稲田大学政治経済学部卒業 大手通信会社~大手調査会社のヘッド~ITベンダー等を経験しています。

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