モバイルアプリ開発

【保存版・発注者向け】アプリ開発の方法についてゼロから解説

アプリ開発を検討する企業や個人にとって、最初に直面する課題は「どのようにアプリを作るか」です。

そこで本記事ではアプリ開発について、どのような工程があるのかゼロから徹底解説していきたいと思います。

  • アプリ開発をしたい方
  • アプリ開発初心者の方
  • 社内のIT人材が不足している方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばアプリ開発の効率の良い方法が丸わかりですよ。

アプリ開発に関わるすべての工程や手法を理解することで、発注者としてより良い判断ができ、プロジェクトを円滑に進めることが可能になります。

アプリを開発する4つの方法

スクラッチ開発とは

スクラッチ開発とは、既存のテンプレートやツールを使わずに、プログラムのコードをゼロから書いてアプリやシステムを作る開発方法です。

完全に自由な設計ができるため、自社の業務や目的にぴったり合った機能やデザインを実現できます。

たとえば、高度な処理能力が必要なシステムや、他にはない独自の機能を持たせたい場合に最適です。

主なメリット
・機能やデザインを自由に設計できる(カスタマイズ性が高い)
・処理速度や操作性などのパフォーマンスを最適化しやすい
・他社にはない独自機能を実装しやすい

主なデメリット
・開発に時間と費用がかかる
・高度な技術や専門知識が必要

スクラッチ開発は、「こだわりたいポイントが多い」「長期的に使い続けたい」システムに向いています。反対に、早く・安く始めたい場合は、別の開発手法を検討するのがよいでしょう。

パッケージ/テンプレートを利用した開発とは

パッケージやテンプレートを使った開発は、あらかじめ用意されたシステムや部品(コードやデザイン)を活用してアプリやWebサービスを作る方法です。

スクラッチ開発とは異なり、ゼロから作る必要がないため、スピーディーかつ低コストで導入できるのが特徴です。

必要に応じて一部をカスタマイズすることも可能です。

主なメリット
・開発期間を大幅に短縮できる
・実績のある安定したコードを活用できるため、信頼性が高い
・初期費用や開発コストを抑えやすい

主なデメリット
・カスタマイズの自由度には限りがある
・他社と似たデザインや機能になりやすく、独自性を出しにくい

「スピード重視でサービスを立ち上げたい」「コストを抑えて導入したい」といったニーズに合った開発手法です。

反対に、独自の仕様や細かな設計が必要な場合には、スクラッチ開発の方が適していることもあります。

ゲームエンジンを活用した開発とは

ゲームエンジンとは、本来ゲームを作るために開発されたソフトウェアで、代表的なものに「Unity」や「Unreal Engine」などがあります。

これらを使うことで、美しいグラフィックやリアルな動き(物理演算)を簡単に実装でき、ゲーム以外のアプリやシミュレーションソフトの開発にも活用されています。

主なメリット
・3Dやアニメーションなど、高度で魅力的なビジュアルを表現できる
・一つのコードで複数のプラットフォーム(iOS、Android、PCなど)に対応可能
・豊富な素材やプラグインが揃っており、効率的な開発が可能

主なデメリット
・ゲーム以外の用途では機能が多すぎて扱いづらい場合がある
・画像や機能が多くなるため、アプリのファイルサイズが大きくなりやすい

ゲームエンジンは、視覚的に魅力的なアプリや複雑な動作を必要とするシステムを作りたい場合に非常に有効です。

ただし、シンプルな業務用アプリなどにはオーバースペックとなる可能性があるため、用途に応じた選定が大切です。

ノーコード/ローコード開発とは

ノーコード/ローコード開発は、専門的なプログラミングをせずにアプリを作れる開発手法です。

画面上の操作(GUI)だけで機能を組み立てるため、プログラミングの知識がない人でもアプリを構築できます。

特に、アイデアをすぐに形にしたい場合や、最小限の機能を持つ試作品(MVP)の開発に適しています。

主なメリット
・プログラミングの知識がなくても開発できる
・短期間でスピーディーにアプリを作れる
・開発コストを大幅に抑えられる

主なデメリット
・複雑な処理や細かいカスタマイズには不向き
・利用するプラットフォームにより、拡張性や自由度に限界がある

ノーコード/ローコードは、「まずは動くものを試したい」「少人数で開発したい」といったシーンにぴったりです。

一方で、本格的な運用や拡張を前提とする場合は、後々スクラッチ開発などへの移行も検討する必要があります。

4種類のアプリの形態を徹底比較

アプリの種類は主に4種類あります。それぞれの特徴を簡単にまとめると以下の通りとなります。

ネイティブアプリiOSやAndroidなど各OS向けに個別に開発する方式。高いパフォーマンスとユーザー体験が特長。
Webアプリブラウザ上で動作するアプリ。インストール不要で、開発が比較的容易。
ハイブリッドアプリネイティブとWebの中間的存在。一度の開発で複数OSに対応可能。
LINEアプリLINE上で動作するミニアプリ。ユーザーとの接点を持ちやすく、マーケティング活用に適する。

アプリ開発の手法と8つの工程

アプリ開発の工程は以下の通りとなっています。

企画ニーズやターゲットを明確にする
要件定義・設計必要な機能と画面設計を行う
デザインUI/UX設計とビジュアル作成
開発システムの実装
テスト・検収バグの洗い出しと修正
審査・リリースアプリストア申請・公開
保守運用ユーザー対応と機能追加
マーケティング集客と利用促進

アプリ開発は自社か外注か?

アプリを開発する際、自社で行うか、専門の開発会社に外注するかは重要な選択です。それぞれにメリットとデメリットがあるため、目的やリソースに応じた判断が必要です。

どちらを選ぶかは、「社内に技術者がいるか」「将来的に自社で運用していきたいか」などを踏まえて検討することが大切です。

自社で開発する場合

メリット
・社内にノウハウが蓄積され、将来的な運用や改修がしやすくなる
・細かな仕様変更や機能追加にも柔軟に対応できる

デメリット
・エンジニアの採用や育成に時間とコストがかかる
・開発スピードが遅くなる可能性もある

外部の開発会社に委託する場合

メリット
・専門知識を持ったプロに任せられるため、品質やスピードが期待できる
・社内リソースが少なくても開発が可能

デメリット
・要件が不明確だと、完成物が想定とずれるリスクがある
・修正や追加対応に別途コストがかかることもある

アプリ開発のメリットとは?

アプリを開発することで、法人・個人どちらにも多くのメリットがあります。それぞれの立場に応じて、活用の目的や効果が異なります。

法人の場合

企業がアプリを持つことで、顧客との接点を強化できるのが大きな利点です。

通知機能などを活用すれば、直接ユーザーに情報を届けることができ、リピート率の向上が期待できます。

また、業務をアプリ化することで、社員の作業効率アップやミスの削減にもつながります。

さらに、自社アプリのデザインや機能によってブランディングを進め、企業イメージを高めることも可能です。

個人の場合

個人にとっては、アプリは副業や起業の手段として活用できます。

アイデア次第で独自のサービスを提供し、広告や課金モデルを通じて収益化することも可能です。

プログラミングスキルがなくても、ノーコードツールを使えば手軽に開発を始めることができます。

このように、アプリ開発は目的に応じて大きな価値を生み出せる手段です。

開発前に押さえるべき3つのポイント

アプリ開発は、ただ作るだけでは成功につながりません。

多くのアプリが公開後に使われなくなる、もしくはビジネスとして失敗に終わるのが現実です。こうした事態を避けるためには、開発に着手する前の「準備」が何よりも大切です。

ここでは、アプリ開発前に必ず押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

多くのアプリは失敗に終わる:事前の市場調査が重要

アプリ市場は競争が激しく、ユーザーに選ばれるためにはニーズを的確に捉えることが不可欠です。

思いつきや直感だけで作るのではなく、「誰に」「どんな価値を提供するのか」を明確にするために市場調査を行いましょう。

競合アプリの分析やユーザーの課題を把握することで、自分のアプリが必要とされる理由が見えてきます。

作りたいアプリ像を明確に:目的と機能を文書化

アプリの目的や実現したい機能があいまいだと、開発が進むにつれて方向性がブレてしまいます。

「何のためにアプリを作るのか」「どんなユーザー体験を提供したいのか」を明確にし、必要な機能を洗い出しておくことが重要です。

これにより、開発会社との意思疎通もスムーズになり、予算や納期の管理もしやすくなります。

運用コストも計算に入れる:保守費やサーバー費用に注意

アプリは作って終わりではありません。公開後にも、定期的なアップデートや不具合対応、セキュリティ対策などが必要です。

また、サーバーの維持費や外部ツールとの連携費用なども発生します。

初期費用だけでなく、長期的な運用コストを見越した予算計画を立てることが、安定した運営につながります。

まとめ

いかがでしたか。本日はアプリ開発の方法について初心者の方でもわかりやすく解説していきました。

アプリ開発は単に作るだけでなく、目的に応じた手法・形態・体制を選択することが成功のカギです。

自社にエンジニアがいない場合は、信頼できる開発会社に相談しながら進めるのが最も確実です。

DEHAソリューションズではオフショア開発でアプリ開発をサポートします。

詳しい費用感やエンジニアの質など気になることがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

makka

Recent Posts

アジャイル開発におけるシステム開発マネジメント|手法・役割・成功のポイントを解説

近年、システム開発の現場では「アジャイル開発」が主流の手法として定着してきています。 従来のウォーターフォールモデルでは、要件定義から設計、実装、テスト、運用までが一方向に進むため、途中での変更に柔軟に対応しにくいという課題がありました。 一方で、アジャイル開発は短いサイクルで機能をリリースしながら、顧客や利用者のフィードバックを反映して改善を続ける手法です。 しかし、アジャイル開発は単なる開発手法の変更に留まらず、マネジメントの考え方やチーム運営のあり方にも大きな影響を及ぼします。 この記事では、アジャイル開発におけるシステム開発マネジメントの基本概念、手法、主要な役割、そして成功のためのポイントを体系的に解説します。 アジャイル開発を検討している方 アジャイル開発のシステム開発マネジメント方法を模索している方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばアジャイル開発におけるシステム開発のマネジメントについて、成功のためのポイントが丸わかりですよ。 アジャイル開発とは アジャイル開発は、ソフトウェア開発における「変化への対応」と「顧客価値の最大化」を重視した開発手法です。 その根本思想は、2001年に発表された「アジャイルソフトウェア開発宣言(Agile Manifesto)」に集約されています。主な特徴は以下の通りです。 反復的・漸進的開発:小規模な単位で機能を開発し、短期間でリリースして改善。 顧客との継続的な協調:要求仕様の変化を受け入れ、フィードバックを重視。…

1 day ago

システム開発におけるテスト種類|役割と特徴を徹底に解説

システム開発においてテストは、品質保証の要であり、欠かすことのできない工程です。 テストの目的は、開発したシステムが要件どおりに動作するかを確認し、リリース後に重大な不具合が発生することを防ぐことにあります。 しかし一口に「テスト」といっても、その種類は多岐にわたり、役割や実施方法、利用するテストデータにも注意が必要です。 この記事では、システム開発における代表的なテストの種類とその特徴を解説するとともに、テストデータやテスト環境を整備する際のポイントを詳しく紹介します。 システム開発を行いたい方 システム開発のテストの種類を知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばシステム開発のテストについてそれぞれの役割を明確にすることができます。 テストの重要性と基本的な考え方 システム開発において「テスト」は単なるバグ探しの作業ではなく、システム全体の品質を保証するための確認プロセスです。 開発の各段階で定義された要件や設計が正しく実装されているかを確かめると同時に、利用者が想定通りに操作できるか、さらにセキュリティやパフォーマンスに問題がないかを多面的に検証することが求められます。 テストの重要性は近年ますます高まっており、その背景には以下の観点があります。 品質保証:不具合を早期に発見・修正することで開発全体のコストを抑制し、システムの信頼性を向上させることができます。 セキュリティ確保:実データや顧客情報の漏洩を防ぐための堅牢性確認が不可欠です。 ユーザー体験の向上:快適で直感的に利用できるシステムを提供することが利用者満足度やサービス継続性につながります。…

4 days ago

システム開発のライフサイクルとは?主要な開発フェーズと代表なモデルを解説

ビジネスや社会のあらゆる場面でシステムが欠かせない現代において、システム開発を効率的かつ確実に進めるための枠組みとして「システム開発ライフサイクル(SDLC:System Development Life Cycle)」が存在します。 SDLCは、システムを企画・開発・運用・保守するまでの一連の流れを定義したもので、開発プロジェクトを成功させるための道しるべといえます。 この記事では、システム開発ライフサイクルの基本的な考え方と、主要な開発フェーズ、さらに代表的な開発モデルについて解説します。 システム開発を発注・管理する立場の方 IT人材が不足している方 システム開発ライフサイクルの具体的内容が知りたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばシステム開発を効率的に進める方法が丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

システム保守の費用相場は?費用を抑えるポイントも徹底解説

システム開発が完了した後、安定して稼働させるためには「システム保守」が欠かせません。 しかし実際に見積もりを取ると、費用が高いと感じる企業も多いのではないでしょうか。 この記事では、システム保守の費用相場を解説するとともに、コストを抑えるための具体的な方法を徹底的に紹介します。 これから保守契約を検討する方 すでに保守契約しているが見直したい方 システム保守の費用について知りたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばシステム保守にいくらかかるのかや、費用を抑えるためのポイントも丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

AI総合ソリューションで業務を革新。DEHAが届ける確かな信頼と価値

2017年の起業から今まで、DEHA SOLUTIONSが歩んできた9年間は、お客様と社員の皆様からのご支援とご協力なくしては語ることができません。心より感謝申し上げます。  私たちはこの間、ベトナムを開発拠点とするシステム開発企業として、日本国内のIT市場向け様々な課題に真摯に向き合ってまいりました。2019年に発表された経済産業省によるIT人材需給に関する調査によると、2030年の日本国内におけるIT人材は最大で約79万人が不足すると予測されています。この深刻な状況の中、多くのSIer企業様や中小・大企業様の開発パートナーとしては、高品質で開発及びソリューションを安定的に提供することで、日本のIT業界の成長を支える一翼を担っています。  >>関連記事:日本経済産業省によると2030年には最大で約79万人のIT人材が不足  近年、ビジネス環境は急速に変化し、DXの波が隅々にまで浸透することに加え、AI技術も全産業を席巻しています。DEHAマガジンでも度々記事を取り上げてきたように、現在AIは単なるトレンドではなく、未来の社会を形作る基盤となりつつあります。  そんな大きな時代の変化を捉え、私たちDEHA SOLUTIONSはこれまでの9年間で培ってきた豊富なナウハウで、AI分野に注力を決意しました。単なる技術ベンダに留まらずに、お客様にとって最も信頼性があるAI総合ソリューション開発パートナーとしては、共に課題解決及びビジネス発展にしていくことを目指してまいります。  (more…)

3 weeks ago

開発リソース不足を解決する5つ方法を徹底比較

開発の現場では「人が足りない」「スキルが合わない」「今すぐ増強したい」が日常茶飯事です。 そこでこの記事では、①オフショア開発 ②ニアショア開発 ③フリーランス・業務委託 ④SES ⑤社内のリソース強化(社員育成・ノーコード/ローコード・AI活用)の5つ手段を、スピード/コスト/品質確保/管理負荷/機密性/拡張性で徹底比較し、選び方の指針まで一気通貫で整理します。 開発を効率化させたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば開発リソースを確保するためのそれぞれの手段について、特徴がわかりますよ。 (more…)

3 weeks ago