2024年現在、米中摩擦や新型コロナウイルスによるサプライチェーン混乱の影響を受け、製造業の生産拠点としてASEAN地域の需要が急速に増加しています。
その中でも特に注目されるのが、安価な労働力と豊富な人材を持つベトナムです。日系企業はこうした環境を活用し、積極的にベトナムへの進出を進めています。
しかし同時に、ASEAN域内では人件費上昇や人材確保の難しさといった課題も浮上しており、それに対応するために製造現場の自動化やDX化への関心が高まっています。
そこでここではそんなベトナムのDX化について、現状をお伝えしていきたいと思います。
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばベトナム進出の日系企業のDX化の現状がわかるのはもちろん、今後の予測も分かりますよ。
日本貿易振興機構(ジェトロ)が2023年8~9月に実施した「2023年度海外進出日系企業実態調査」によれば、ASEAN地域に進出する日系製造業のうち、すでに生産ラインの自動化(ロボットやAIの導入など)を実施している企業は29.7%にとどまります。
国別に見ても、マレーシアの39.9%が最も高く、ベトナムは28.9%、インドネシア28.3%、タイ27.9%とやや低めの割合にとどまっています。
この数値は、すでに自動化が45.2%まで進んでいる中国と比較すると、まだまだ低いと言えます。
一方で、調査ではASEAN域内の企業の73.5%が自動化に対して関心を持っており、その中でも特にベトナムは75.9%と高い関心度を示しています。
ベトナムは依然として安価な労働力を有しつつも、より生産性の高い生産ラインを模索する企業が増えてきているのです。
ベトナムの電気・電子産業や縫製産業では特に、最新技術を用いた自動化が進められており、徐々に高い生産性が期待されるようになってきています。
中国との緊張関係やコロナ禍による混乱から、日系企業は事業継続計画(BCP)やリスク分散の観点で中国以外のアジア諸国への生産移管を推進しています。
ベトナムはその主要な受け皿の一つとなっており、特に日本や中国からの生産ライン移転が多く見られます。
こうした生産ラインの移設の際、本拠地と同様の自動化ラインを新拠点にも導入する動きが進んでいます。
これにより、先進的な技術がベトナムの工場にも導入されるケースが増え、最新の自動化技術が浸透し始めています。
特に電気・電子産業においては、このような傾向が顕著です。
韓国や台湾、中国の外資企業でも、ベトナムへの生産移管の際に自動化ラインの新設を進めており、日系企業だけでなく他国企業の動向もベトナムの自動化を促進する要因となっています。
また、ベトナムが世界の供給拠点として認識される製品については、ベトナム拠点が生産ラインの設計や開発まで担うケースも増加しており、現地での自動化が加速しています。
日系企業の調査によると、ASEAN地域での自動化導入の背景には「生産ラインや生産技術の高度化」と「人件費の上昇」が大きな要因として挙げられます。
ベトナムでは79.9%の企業が「生産ラインや生産技術の高度化」を自動化の理由に挙げており、「生産品の高付加価値化」と回答した企業も27.9%に上ります。
また、「ワーカー不足」と回答した在ベトナム日系企業の割合は37.0%で、ジョブホッピングが一般的なベトナムでは、ワーカーの離職リスクを軽減するためにも自動化が推進される背景となっています。
具体的な自動化の取り組み例としては、計量や包装、検査といった工程における自動化の導入があります。
検査工程では、従来の目視検査から外観検査装置を用いることで、品質の安定化を図っています。
また、労働集約的な縫製産業では、自動ミシンや裁断システムが導入され、労働者の負担軽減や生産の効率化が実現されています。
さらに、顧客からの品質や納期に対する要求が厳しさを増す中、これに応えるための自動化も進んでいます。
従来の手作業や経験に頼っていた生産工程を部分的に自動化し、安定したスピードと品質で生産できる体制が求められているのです。
ベトナムは安価な労働力が強みである一方、2020年代に入ってからも日系企業の賃金上昇率が年平均5%を超えるなど、人件費の上昇が顕著です。
現在のベトナム製造業の月額基本給は273ドルで、中国の半分以下ですが、日系企業の多くは、将来的な生産コスト増加を見越して自動化を進めている状況です。
ベトナム進出の日系企業の中には、投資回収が容易な中国と比べると、ベトナムでの自動化投資は慎重に進めている企業もあり、一部の生産工程は手作業で維持され、最終工程などは人が担う「半自動化」が選択されるケースも見られます。
ベトナムでの自動化推進においては、人材育成も重要な課題です。
「自動化技術を扱える人材の確保が困難」と答えた日系企業は48.6%に上り、技術系の人材不足が依然として課題です。
特に工業系エンジニアの育成が追いつかず、多くの企業が現地で人材を自社育成する必要性に迫られています。
向上心の高いベトナム人材に対しては、キャリアプランの提示や昇給を通じた人材定着策が採られる一方、一定の転職率を前提にして、継続的な採用と育成で対応している企業もあります。
また、ベトナムでは電力供給が不安定であることも、自動化推進の障害となっています。
ASEAN地域での電力コストは比較的安価であるものの、電圧の不安定さや頻発する停電が設備に影響を与えることが懸念されています。
このため、UPS(無停電電源装置)や発電機の導入でリスクを軽減する企業も増えていますが、コスト負担は大きく、安定した電力供給体制が自動化をさらに推進するための鍵となっています。
近年、脱炭素の潮流や電気料金の値上がりが製造業界にも影響を及ぼしており、工場全体の電力消費量の「見える化」を図るニーズも高まっています。
電力消費のモニタリング技術を導入することで、エネルギーの効率的な管理と省エネを推進し、結果的に製造コストの削減にも貢献できるとされています。
ベトナムでは太陽光発電の導入が進み、サステナブルなエネルギーへの関心が高まっており、日系企業にとってもCO2削減を見据えた投資が重要な課題となっています。
ベトナムの製造業がグローバルサプライチェーンにおける重要な位置を占める中で、同国でのDX化や自動化は将来的に重要な役割を果たすと考えられます。
特に電気・電子産業、精密機械産業などの高付加価値分野では、積極的な自動化が進められるでしょう。
さらに、政府主導でのデジタル経済の推進や外国企業へのインセンティブ策により、ベトナム全体としてのDX推進が進むと期待されています。
自動化により効率化が進んだ生産ラインでは、製品品質の均一化とコストの削減が実現し、ベトナムがさらに競争力を高めることが予測されます。
また、政府も産業構造を高度化するための政策を導入し、技術革新や高度人材の育成を支援しています。
政府と企業が連携して環境整備を進めることで、今後のベトナムはさらなる投資先として、日系企業の関心を集め続けるでしょう。
DEHA SOLUTIONSは製造業向けDXソリューションの開発から運用までをワンストップで支援しています。
東京・名古屋に拠点を置きつつ、ベトナム国内に3つの拠点(ハノイ・フエ・ホーチミン)を展開し、現地の商習慣やビジネスニーズを深く理解した上で、日系企業のニーズに合わせたカスタマイズ対応を行っています。
具体的には以下のようなサービスを展開しています。
DEHAの担当者が直接工場を訪問し、経営層や現場のワーカーからヒアリングを行うことで、現地特有の課題やニーズを正確に把握。
これにより、最適なシステム要件を定義し、課題に即した開発体制を整えます。
ベトナムでは、20代から30代のITエンジニアが豊富であり、日本と比較して低コストでの開発が可能です。
DEHAでは、必要なスキルや経験を持つエンジニアを専属チームとして編成し、最短5営業日でプロジェクトを開始できる体制を整えています。
これにより、予算に合わせた柔軟な提案が可能で、コスト削減も実現します。
DEHAは、製造業向けSaaS(Software as a Service)システムの導入を行い、96%の高いリピート率を誇ります。
実際に、日本国内での製造業顧客向けのERPソリューションや生産管理システムの導入実績が豊富であり、導入企業の現地工場の業務効率化や生産性向上に貢献しています。
導入後の保守・運用支援も現地で対応するため、企業が安心して長期的なパートナーシップを築くことが可能です。
DEHAは、SYSPRO、ODOO、IFSといったERPソリューションの代理店として、システムの導入から運用までを一貫してサポートします。
これにより、生産管理の効率化、データの見える化が実現し、品質管理や生産計画の精度向上が期待できます。
さらに、システム導入の際には、現地スタッフに対してユーザー教育を行い、運用スキルの定着を支援します。
DEHAでは「チョータツ」という形で、日本の企業が求めるエンジニアを専属チームとしてアサインし、プロジェクトに対応しています。
「チョータツ」を導入することで以下のメリットが得られます。
最短5営業日でチームを編成し、迅速に開発に着手できるため、緊急案件にも柔軟に対応可能です。
ベトナムではIT従業者の母数が豊富で、経験豊かなエンジニアを手頃な価格で雇用できるため、日本国内の開発に比べコストパフォーマンスが高いです。
特にアジャイル型開発の対応も可能で、スピーディな要件変更や改善に対応しています。
現地の商習慣や文化を理解したエンジニアが直接対応することで、システム導入後の運用や保守も円滑に進めることができ、安心して長期的に利用できる体制が整っています。
いかがでしたか。本日はベトナムの製造業のDX化について現状と展望について解説していきました。
製造業のDX化は、グローバルな競争環境の中で生産性向上と効率化を図るために重要なステップです。
特に、ベトナムへの進出を図る日系製造業においては、現地の業務自動化が大きな課題となっています。
DEHA SOLUTIONSは、こうした課題に応えるため、ベトナムに拠点を置き、現地の製造業向けにシステム開発から運用保守までトータルサポートを提供しています。
製造業のDXに関する課題をお持ちの企業様は、ぜひDEHA SOLUTIONSにご相談ください。
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