オフショア開発

【2023年版】オフショア開発白書から読みとくオフショア開発の現状と最新の市場動向

オフショア開発は今や人気の開発手法の1つとなっていますが近年では円安の影響もあり、その動向が気になる人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は5月にリリースされた「オフショア開発白書」を参考に、最新のオフショア開発の市場動向について解説したいと思います。

  • オフショア開発に興味がある方
  • 最新のオフショア開発の市場動向が気になる方
  • 社内のIT人材不足にお悩みの方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば最近のオフショア開発の動向がわかる他、オフショア開発のメリットなどもまるわかりですよ。

オフショア開発白書から読みとくオフショア開発の現状

円安でもオフショア検討は進む

オフショア開発はここ5年ほどでコスト削減からリソース確保の側面で活用されることが増えています。

2022年は歴史的な円安により、コスト面でオフショア開発を選択するという企業は減少しています。そのことを表しているのが以下のグラフです。このグラフは「オフショア開発.com」に相談のあった企業の規模別の割合です。

オフショア開発.com

これによると100名以下の企業割合が62%となっていて、昨年の69%より減少傾向となっています。また11~50名の規模では昨年の21%から16%と大きく減少しています。

このようにコスト削減のニーズが大企業に比べ高い中小企業では、円安の状況下でオフショア活用の勢いが衰えていることがわかります。

一方で、5001名以上の割合は14%と、昨年の7%から大きく増加しています。大企業ではITリソース不足が問題視されていて、その部分においてオフショア開発が活用されていることがわかります。

オフショア開発国は依然としてベトナムが人気

以下のグラフはオフショア開発検討先の国別割合です。これによるとベトナムが依然として最も人気であり、48%にも及びます。

オフショア開発.com

ベトナムは親日国であり、勤勉な国民生や物理的な近さ、時差が日本とわずか2時間である点などが人気の秘密です。

最近では国家としてのIT人材の育成に力を入れていて、AIやブロックチェーンなどといった高度な案件にも対応可能な人材が増えています。

またベトナムではオフショア開発企業が多く存在するため、企業間での差別化が近年トレンドになっています。例えば特定の技術領域に専門特化している、月次でリソース調整可能なラボ提供など。

さらにベトナム内で、ハノイ・ホーチミンに集中していたオフショア開発企業が近年、ダナンやフエ、カントーなどと言った地方都市へと分散しています。

その影響もあり、コスト面や得意分野特長なども細分化しています。

「選択肢が多すぎる」のではなく、「自社とマッチした開発企業はどのなのか」という視点で、オフショア開発企業を選択することができるようになりました。

※関連記事:ベトナムオフショア開発の人月単価相場

オフショア開発の人気はWebシステム開発とスマホアプリ開発

以下はオフショア開発の依頼内容別の割合です。

オフショア開発.com

これによると開発案件の相談内容として最も多かったのが「Webシステム開発(サービス系)」で、次に「スマホアプリ開発」、「Webシステム開発(業務系)」と続きました。

これは昨年までと順位の変動はなく、その割合もほぼ横ばいとなっています。

Webシステムやスマホアプリ開発はインターネット上で利用されるため、地理的な制約が少なくリモートでの協力が容易です。

さらに継続的なアップデートや保守が必要なため、オフショア開発の専門知識が長期的なサポートに役立つでしょう。

先端系の開発でもオフショア開発が浸透

近年ChatGPTの浸透などの影響もあり、AI開発をはじめとした先端技術領域への注目を高める方も多いのではないでしょうか。

そんな中、AI開発におけるオフショア開発の活用が進んでいます。昨年は3%程度の割合でしたが、今年は9%とシェアを広げています。

その他VR・AR開発、ブロックチェーン開発でも1%から3%と若干ではありますが、相談割合が増加しています。

ベトナムをはじめとするオフショア開発企業は、AI開発を中心に今後最も注力していく技術領域と捉えて先端技術への取り組みを強化しています。

ベトナムでは政府や教育機関の支援や取り組みなどもあり、毎年IT関連学科から約5万人のベトナム人エンジニアが卒業しています。

こうした大学に通う若者たちは、在学中にOJTなどを通じて実践的な教育を受けており、卒業すればすぐに企業などで即戦力として活躍する資質を持っています。

そういうこともあってか、ベトナムで活躍するエンジニアは20代〜30代前半が多くいます。

若いエンジニアは上昇志向が強いエンジニアが多く、流行の技術や最新技術への興味関心が高いのも特徴です。

こうしたことがベトナムに先端IT人材が多い理由と言えそうです。

まとめ

いかがでしたか。本日は5月にリリースされた2023年度版のオフショア開発白書をもとに、最新のオフショア開発の動向について解説していきました。

オフショア開発は円安の影響もあり、コストメリットというよりもリソース確保の側面が強くなっています。

そして依然としてベトナムが人気であり、ベトナムオフショアの中での選択肢の幅が広がっていることがわかりました。

様々な選択肢があるベトナムオフショア開発、今後も安定して人気を博していくことは間違いなさそうです。

makka

Recent Posts

【2026年最新】製造業向けグローバルERPシステムおすすめ10選

製造業を取り巻く環境は、グローバル競争の激化、サプライチェーンの複雑化、そしてデジタル化の加速により大きく変化しています。 その中でERP(統合基幹業務システム)は、単なる業務管理ツールではなく、経営の意思決定を支える中核システムへと進化しています。 特に2026年においては、「クラウド化」「AI活用」「グローバル対応」「生産現場との連携」が重要な選定ポイントとなっています。 ERPは企業の成長戦略そのものに直結するため、自社の規模・業種・将来展望に適したシステム選びが不可欠です。 この記事では、製造業向けの代表的なグローバルERPを10製品厳選し、それぞれの特徴を解説します。 グローバルERPシステムが気になる方 製造業の方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば主要なグローバルERPシステムが丸わかりですよ。 IFS ERP(IFS Cloud) IFS Cloudは、製造業に加えて設備管理やサービス業務まで一体的に管理できる統合ERPです。 特に「アセット集約型製造業」や「プロジェクト型製造」に強みを持っています。…

22 hours ago

SQA(ソフトウェア品質保証)とは? 顧客満足度を高める品質維持の役割と重要性

ソフトウェア開発において品質の確保は単なる技術的課題ではなく、企業の信頼性や顧客満足度に直結する重要な要素です。 その中核を担うのがSQA(Software Quality Assurance:ソフトウェア品質保証)です。 SQAとは、開発プロセス全体を通じて品質を計画的に作り込み、維持・向上させるための活動を指します。 この記事ではそんなSQA(ソフトウェア品質保証)について、その概要や役割などを紹介していきます。 SQA(ソフトウェア品質保証)が気になる方 品質管理に興味がある方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばSQA(ソフトウェア品質保証)の特徴がわかるだけでなく、その重要性が丸わかりですよ。 SQA(ソフトウェア品質保証)とは SQA(ソフトウェア品質保証)とは、ソフトウェア開発において品質を計画的かつ継続的に確保するための活動全般を指します。 単に完成した製品の不具合を検出するテスト工程だけでなく、開発プロセス全体に関与し、品質を作り込む仕組みを整えることが重要な役割です。 具体的には、開発標準の策定や遵守状況の確認、レビューや監査の実施、品質指標の設定と分析、リスクの早期発見と対策などが含まれます。 これにより、開発の初期段階から問題の発生を未然に防ぎ、手戻りやコスト増大を抑えることが可能になります。…

2 days ago

IFS CloudにおけるMigration Jobsの実践

概要 IFS Cloud におけるMigration Job(マイグレーションジョーブ)は、カットオーバーフェーズにおける最重要ボトルネックである。本稿では、実プロジェクトから抽出した知見をもとに、ステージングアーキテクチャ・トランザクション管理・冪等性設計・大容量データ処理・自動アラートの5領域にわたる実践的設計手法とトラブルシューティング戦略を体系的に解説する。適切に設計されたマイグレーションは単なるデータ移送を超え、監査可能性と再現性を備えた運用基盤となる。  (more…)

6 days ago

PQAとは? プロジェクトの成功を支える標準化と導入のメリット

近年、システム開発や製造業、さらにはサービス業においても「品質」の重要性がますます高まっています。 その中で注目されているのが「PQA(プロセス品質保証)」という考え方です。 従来の品質管理が「成果物の品質」を中心にしていたのに対し、PQAは「プロセスそのものの品質」を保証することに重点を置きます。 この記事では、PQAの基本概念と、プロジェクト成功にどのように寄与するのか、さらに導入のメリットについて解説します。 PQA(プロセス品質保証)について知りたい方 製造業やシステム開発をしたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばPQA(プロセス品質保証)の概要やメリットなども丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

【2034年まで】生成AIチャットボットの日本市場規模は3,300億円超へ予測

生成AIチャットボット市場は、近年のAI技術の進化とともに急速な成長を遂げており、日本においても例外ではありません。 特に、企業のDXの進展と、顧客対応の高度化・効率化ニーズの高まりを背景に、導入が加速しています。 本日はそんな生成AIチャットボットの日本市場規模について、現状とこれからの予測についてお伝えしていきたいと思います。 生成AIチャットボットが気になる方 生成AIチャットボットの市場規模を知りたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば生成AIチャットボットの日本市場規模がわかるのはもちろん、その要因もわかりますよ。 (more…)

3 weeks ago

クラウド型とオンプレミス型の生成AIチャットボットの違い

近年、企業のDXが加速する中で、生成AIチャットボットの導入は急速に広がりを見せています。 顧客対応の自動化や業務効率化、さらには新たなユーザー体験の創出といった観点から、多くの企業がその活用に注目しています。 しかし、いざ導入を検討する段階になると、多くの企業が直面するのが「どのような形態で導入すべきか」という課題です。 この記事では、まず生成AIチャットボットの基本構造と進化の背景を整理した上で、クラウド型とオンプレミス型それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。 AIチャットボットに興味がある方 クラウド型とオンプレミス型の生成AIチャットボットについて知りたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばクラウド型とオンプレミス型の生成AIチャットボットの違いがわかるのはもちろん、企業がどのような観点で最適な方式を選択すべきか、さらに今後の技術動向もわかりますよ。 (more…)

4 weeks ago