オフショア開発

オフショア開発会社の選定は「信頼性」の見極めが重要

オフショア開発会社を選定する際は「信頼性」の見極めが重要です。

信頼性がない企業だとコミュニケーション上のトラブルが発生してしまい、仕様書と異なる開発をされてしまうなどと言った問題が発生してしまう可能性も。

この記事ではそんなオフショア開発で重要な「信頼性」にフォーカスをして、オフショア開発企業選定のポイントをご紹介していきます。

  • オフショア開発が気になる方
  • 社内のIT人材が不足している方
  • 優秀なエンジニアを確保したい方
  • 初めてオフショア開発を行う企業の方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば信頼性のあるオフショア開発企業の選び方はもちろん、どう信頼性を維持していけば良いのかまで丸わかりですよ。

オフショア開発会社の選定は「信頼性」の見極めが重要

オフショア開発とは人件費の安い海外エンジニアを活用して開発を行う方法です。コストを抑えることができるのはもちろん、例えばベトナムオフショアではAIやブロックチェーンに精通した若いエンジニアも多く、高い品質の開発を行うことができます。

その一方で、オフショア開発に関するトラブルもよく耳にします。

文化や言語が異なり、加えて物理的な距離も遠いわけですから、日本で開発するよりもリスクが発生してしまうのも無理はありません。

そういったトラブルを回避する上で重要なのは「信頼性」の見極めです。信頼性のある企業を選定することで、優秀なエンジニアを低コストで確保できるのはもちろん、長期的なパートナーシップの構築にもつながります。

信頼性を見極めるためのポイント

信頼性が重要だということは分かりましたが、初めてオフショア開発会社を選定する際はどの会社が信頼性のある会社なのかというのは判断しづらいと思います。

そこでここからは信頼性を見極めるためにチェックする項目をご紹介していきます。

過去の実績とポートフォリオ

多くのオフショア開発企業が過去の開発実績やポートフォリオを公開しています。

過去の開発実績やポートフォリオでは以下のポイントをチェックするようにしましょう。

  • 成功事例とクライアントの評価
  • 開発したアプリやプロジェクトの質成功事例とクライアントの評価

成功事例とクライアントの評価

オフショア開発企業の成功事例を知ることで、自分たちが作りたいサービスと似たような実績があるかどうか調べることができます。

またクライアントのリアルな評価でオフショア開発企業にどのような強みがあるのかを知ることができます。

開発したアプリやプロジェクトの質

先ほどもいったように、開発したアプリやプロジェクトを知ることで、自分たちの作りたいサービスと似たような実績があるのかどうかを知ることができます。

開発アプリやプロジェクトはどのような開発手法と開発言語なのか、開発規模はどのぐらいで、どのぐらいのリソースを使ったのかなどを確認するようにしましょう。

企業の評判と口コミ

開発実績やポートフォリオはオフショア開発企業が自ら製作しているものなので、これらをチェックするのと同時に、オフショア開発企業がどのような評価を受けているのか、インターネット上でリサーチすることをおすすめします。

クライアントや業界内での評判

検討しているオフショア開発企業があれば、クライアントや同業他社での評価を確認するようにしましょう。

口コミやレビューサイトの活用

口コミサイトやレビューサイトを確認するのも、おすすめです。

インターネットで「企業名、評価」などと検索することで有益な情報を得ることができるでしょう。

技術力とスキルセット

技術力やスキルセットを確認することは信頼性の担保につながります。しかし契約前の段階で技術力やスキルは見えづらいですよね。

技術力とスキルセットを確認するには以下の項目をチェックするようにしましょう。

  • 技術スタッフの資格や能力
  • 技術トレンドへの対応力

技術スタッフの資格や能力

技術スタッフの資格などを公開しているオフショア開発企業が多くあります。そういった項目をチェックすることをおすすめします。

記載がない場合は、問い合わせ段階で確認してみるのも良いかもしれません。

ちなみにオフショア開発での品質評価指標としては以下のようなものがあります。

ISO9001 ISO9001は、会社や組織が提供する“商品やサービス”の品質向上を目的とした品質マネジメントシステム規格のこと。最も普及しているマネジメントシステム規格であり、全世界で170ヵ国以上、100万以上の組織が利用しています。
ISTQB ISTQBは国際ソフトウエアテスト技術者資格認定の運営組織のことを指します。総合的なスキルに関する「Core」、アジャイル開発に特化した「Agile」、AIやゲームテスターなどスペシャリスト向けの「Specialist」の3区分で構成されています。
ISO/IEC 27001 ISO/IEC 27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格です。情報の機密性・完全性・可用性の3つをバランスよくマネジメントし、情報を有効活用するための組織の枠組みを示しています。
CMMICMMIとは「Capability Maturity Model Integration」の頭文字をとった言葉で、企業あるいは組織内の各プロセスをどれだけ機能させられているかを判定する指標のことを指します。

合わせて読みたい>>オフショアのシステム開発会社を選定する時は品質評価に注目しよう

技術トレンドへの対応力

IT業界は常に最新技術が誕生しています。そういった技術トレンドに対して感度があるのかどうかは、高い技術力の有無につながるでしょう。

オフショア開発国の中でもベトナムは、最新技術を身につけた若いエンジニアが多いのが特徴です。というのも、ベトナムは国策としてIT教育を取り入れていて、IT関連の教育を展開している大学が30校近くあり、エンジニアになる人は毎年5万人ほどいると言われています。

向上心が高く日本よりも転職が身近にあるため、社会人になってからもスキルアップする人材が多いのも特徴です。

そういった背景から最新技術を身につけたエンジニアが多いのですね。

コミュニケーション能力

オフショア開発がうまくいかなかった企業はコミュニケーションが要因である場合が多いです。確かにコミュニケーションがうまく行えないと信頼関係は構築できないですよね。

コミュニケーション能力に関してチェックする項目は以下の通りです。

  • 言語や文化の違いへの対応
  • コミュニケーション手段や進捗報告の方法

言語や文化の違いへの対応

国が違えば言語も文化も異なります。オフショア開発企業がその面をどのようにカバーしているのかはぜひともチェックしておきたいところです。

日本語スキルをチェックするには営業担当だけでなく、実際に担当につくブリッジSEやコミュニケーターと契約前に会話しておくことをおすすめします。

コミュニケーション手段や進捗報告の方法

オフショア開発国は物理的な距離が離れているため、コミュニケーションが疎かになりがちです。

チャットツールやビデオ会議などで進捗の確認をすることが一般的ですが、その頻度や方法などは事前によく確認しておくようにしましょう。

契約時の注意点

ここからは、信頼性の見極めを行うために契約段階で注意することをご紹介していきます。

契約内容の確認

契約内容を確認する際は以下の項目に注意するようにしましょう。

  • 品質保証と納期の明確化
  • 保守・サポート体制の整備

品質保証と納期の明確化

契約時は、自社の課題ややりたいこと検討していることなどを明確化させてオフショア開発企業に相談を行います。

オフショア開発にはラボ型契約と請負契約の2種類があるので、どちらが良いのかなども合わせて確認するようにしましょう。

ラボ型契約基本的に中・長期間の間、一定量の業務を依頼する契約
請負契約発注側が依頼した案件を、一定期日までに完了させること依頼する契約

また契約の際は納期や品質保証もよく確認するようにして、契約書の取り交わしを行うようにしましょう。

保守・サポート体制の整備

システム開発ではサービスを完成させて完了ではありません。保守やサポートといった業務は必ず発生するものと考えましょう。

請負契約の場合、プロダクトが完成したら完了という契約になっていることが多いため、保守やサポートには別途費用がかかってしまいます。

一方、ラボ型契約では期間に対して契約を行なっているため、プロダクトの完成後も保守や運用を任せることができます。

こういった契約に関する内容は曖昧にしてしまうと、後々トラブルにつながりかねません。ぜひよく話し合うようにしましょう。

費用面の交渉

費用面では以下をチェックするようにしましょう。

  • 見積もりの比較
  • 隠れコストの確認

見積もりの比較

複数のオフショア開発企業で見積もりを取り、比較し検討することをおすすめします。

隠れコストの確認

先ほども言ったように運用や保守などで別途コストが発生してしまったり、途中の仕様変更などで、隠れコストが発生してしまう場合があります。

こういうかかりうるコストは契約次第で、抑えることができます。契約時によく確認するようにしましょう。

信頼性を維持するためのフォローアップ

信頼性を維持するために気をつけるべきフォローアップについてご紹介していきます。

プロジェクト管理の徹底

プロジェクト管理をしっかり行うことで、仕様書と異なる部分や問題などにすぐに対応して軌道修正を行うことができます。

プロジェクト管理の際のポイントは以下の通りです。

  • 進捗報告の定期化
  • 問題や懸念事項の迅速な対応

進捗報告の定期化

進捗の報告は決まったタイミング、決まった時間に行うようにして定期化することをおすすめします。

報告に対するルールが決められているとエンジニアも習慣化しやすくなります。

アジャイル開発のスクラム開発ではデイリースクラムと言って、毎日決まった時間に進捗の確認と課題の洗い出しを行なっています。デイリースクラム単なる進捗報告ではなく、チームの強化も期待できます。

問題や懸念事項の迅速な対応

問題や懸念事項があったらすぐに報告をしてもらうようにしましょう。先ほども紹介したスクラム開発では継続的な改善が念頭にあります。改善点を見つけ、常に修正していくことがポイントなのです。

長期的なパートナーシップの構築

長期的なパートナーシップを築くことができれば、新たな開発を行う際も開発企業を選定する必要がなくなります。

長期的な関係性を築くためのポイントは以下の通りです。

  • 継続的なコミュニケーションの重要性
  • 互いのビジネス成長をサポートする関係性

継続的なコミュニケーションの重要性

コミュニケーションなしでは信頼関係を築くことはできません。こまめなコミュニケーションは継続的に行うようにしましょう。

互いのビジネス成長をサポートする関係性

自社の成長だけでなく、オフショア開発企業も共に成長していけるように、相手にとって良い情報があればサポートしていくようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。本日はオフショア開発企業選定の際に重要な「信頼性」にフォーカスをして、どういう風にオフショア開発企業を選定していけば良いのかについてご紹介していきました。

信頼性の見極めを行うことで、オフショア開発の成功につながります。

そのためには、過去の実績や資格、コミュニケーション能力などを確認するなど適切な企業選定が必要でしたね。

また信頼性には継続的なコミュニケーションも重要です。契約後もお互いの成長をサポートしていくことで、長期的なパートナーシップを築くことができるでしょう。

makka

Recent Posts

【2025年】円安がいつまで続く?オフショア開発に与える影響

2025年8月時点におけるドル/円(USD/JPY)の為替レートは、およそ ¥146.9です。 円安傾向は続いており、過去数十年のトレンドとも重なりつつ、依然として投資・政策動向から注目を浴びています。 この記事ではそんな円安に着目してオフショア開発に与える影響を見ていこうと思います。 オフショア開発を始めたい方 社内のIT人材が不足している方 開発効率を上げたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばオフショア開発に円安がどう影響するのかがわかるのはもちろん、いつ始めるべきかまで丸わかりですよ。 (more…)

12 hours ago

エンタープライズ向け生成AI導入の活用事例、今後の展望

近年、生成AI(Generative AI)はビジネスの在り方を大きく変革する技術として急速に普及しています。 文章、画像、音声、コードなど、多様なコンテンツを自動生成できるこの技術は、従来の業務効率化だけでなく、新たな価値創出や顧客体験の革新にも直結します。 特にエンタープライズ(大企業)においては、膨大なデータ資産や高度なセキュリティ要件、複雑な業務プロセスを背景に、生成AIの導入が戦略的な投資対象として注目されています。 この記事ではそんなエンタープライズ向け生成AIについて具体的な活用事例や導入ステップなど徹底解説していきます。 (more…)

1 week ago

生成AIサービスの導入形態:3つのタイプと最適な選び方

近年、生成AI(Generative AI)は文章生成、画像生成、音声合成、プログラムコードの自動生成など、幅広い分野で実用化が進んでいます。 業務効率化や新しい価値創造の手段として注目され、さまざまな業種で導入が加速しています。 しかし、生成AIサービスを導入するにあたり、どのような形態で利用するかは企業の戦略や要件によって異なります。 この記事では、主な導入形態としてSaaS型の生成AIサービス、オンプレミス型生成AIサービス、API/PaaS活用型生成AIサービスに着目し、それぞれの特徴・メリット・デメリット・選び方のポイントを整理します。 生成AIサービスを導入したい方 生成AIサービスのタイプを知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば生成AIサービスについてどんな特徴があるのかがわかるのはもちろん、適切な選び方まで丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

【2025年予測】生成AI市場展望と業務への活用動向

2025年、生成AIはビジネスと社会の在り方を大きく変えつつあります。 大規模言語モデル(LLM)、マルチモーダルAI、RAG、AIエージェントといった技術革新が進み、企業の業務効率化から新しい価値創造まで、その活用範囲は急速に広がっています。 この記事ではそんな生成AI市場について、今後の展望や業務への活用について動向などを見ていきます。 生成AIを活用したい企業の方 業務を効率化したい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば生成AI市場について現状と今後の展望が丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

AIエージェントの活用による弊社の成功事例をご紹介

近年、AI技術の進化とともに、業務効率化やサービス向上を目的とした「AIエージェント」の導入が急速に進んでいます。 弊社でも、この流れを受けてAIエージェントの導入を進め、多くの現場で業務の質とスピードの両立を実現することができました。 この記事では、実際に弊社が取り組んだAIエージェントの活用事例を紹介しながら、AI導入によるメリットとその可能性についてご紹介いたします。 AIエージェントが気になる方 AIエージェントの事例が知りたい方 社内の人材不足にお悩みの方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばAIエージェントの成功事例が丸わかりですよ。 (more…)

4 weeks ago

AIエージェント導入によくある課題と解決方法

近年、業務効率化や顧客対応の高度化を目的として、企業や自治体、教育機関など多くの組織で「AIエージェント」の導入が進んでいます。 AIエージェントとは、人工知能を活用して自動的に応答や処理を行うシステムの総称で、チャットボットやバーチャルアシスタント、RPA(Robotic Process Automation)などが含まれます。 しかしながら、AIエージェントの導入には多くの期待が寄せられる一方で、現場ではさまざまな課題に直面するケースも少なくありません。 この記事では、AIエージェント導入によくある課題とその解決方法について、具体的に解説していきます。 AIエージェントに興味がある方 AIエージェントの導入に不安がある方 社内の人材不足にお悩みの方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばAIエージェントの特徴がわかるのはもちろん、うまく活用するための方法もわかりますよ。 (more…)

4 weeks ago