オフショア開発

ベトナム オフショア開発はコストが削減できるのか?

ベトナム オフショア開発はコストを抑えられるとあって人気が出ていますが、近年の傾向をみるとその目的が変わりつつあります。

この記事では「オフショア開発白書2021」を参考にベトナムオフショア開発が本当にコスト削減ができるのかどうか徹底分析していきます。

  • ベトナムオフショアが気になる方
  • コストを抑えてIT人材を確保したい方
  • ベトナムオフショアの特徴を知りたい方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばベトナムオフショアの特徴が丸わかりですよ。

オフショア開発に関する予算からみるベトナムオフショアの傾向

上の図はベトナムにおける予算の割合で、下の図はオフショア開発国全体の予算の割合です。

これによると、ベトナムでは300万円以上の開発案件が40%以上を占めていて、全体と比べると比較的高い傾向にあります。これはベトナムで工数の多い大規模開発が行われていることが要因としてあげられます。

そして、ベトナムオフショア開発企業の人月単価は以下の通りです。

プログラマー(万円)シニアエンジニア(万円)ブリッジSE(万円)PM(万円)
36.58(前年比124.6%)42.93(前年比116.8%)48.68(前年比110.4%)62.61(前年比98.4%)

このように、全体的にコストは上昇傾向にあります。それは日本国内のIT人材の不足と、新型コロナウイルスの影響でベトナム オフショアへの需要拡大したことが原因となっています。

ただし、職能が上がっているのにもかかわらず、単価の上昇幅はそこまで大きくありません。

また、PMは前年比と比べ唯一下がっています。これは課題であったプロジェクトマネジメントのできる人材が育ってきていることが背景にあります。オフショア開発にとってPMは重要な役割を持っています。

そんなPMがコストを抑えて確保できるというのはベトナムオフショアの大きな特徴とも言えそうですね。

合わせて読みたい>>【最新動向】ベトナムオフショア開発の人月単価相場【結論:コストもレベルも高まっている】

ベトナムオフショアは大規模開発や基幹システムなどでコストメリット

WEB制作などの小規模な案件はコストメリットが少なく、ベトナムオフショアにおいて規模は縮小しています。

一方、技術力や豊富なリソースを求められるような大規模開発やERP、基幹システムなどの開発は大きな割合を占めています。実際、ベトナムにおける基幹系システムの割合は17%となっています。

オフショア開発国の全体では4%ですから、その割合は大きいと言えますね。

ラボ型契約で継続的な開発にコストメリット

ベトナムではラボ型契約が主流になっています。ラボ型契約とは基本的にある 一定期間(半年〜1年)の間、お客さんの専用のチームを用意し開発を行うという契約形態のことです。

専任の開発チームを確保して開発を行うため、長期的な開発ではコストメリットが大きくなります。

特にアプリ開発などでは、請負型開発や国内の開発会社では修正に追加費用がかかってしまうため、ラボ型契約が向いていますよ。

ラボ型契約ではマネジメントが重要ですが、ベトナムでは経験豊富なエンジニアが多いのもラボ型契約が主流な理由の1つかもしれないですね。

合わせて読みたい>>ラボ型開発で、見積や雇用の不安解消!請負型開発との違いも解説

コスト面だけ注目するとポストベトナム国が優勢

先ほど紹介したようにベトナムオフショアでは単価上昇の傾向があることから、小規模案件はミャンマーやフィリピン、バングラデシュと言ったようなポストベトナム国に移行しつつあります。

一方、ベトナムではエンジニアの質の向上や、オフショア国としての需要拡大などの背景から、長期的な開発が必要となる大規模開発で大きな強みを発揮します。

それでもおすすめベトナムオフショア

ベトナムはオフショア開発国として、今や人気NO1の国となっています。

50%以上の企業でオフショア開発国としてベトナムを選択肢ています。これほど規模が大きくなっているということで、ベトナムにおけるオフショア企業の選択肢も増えてきています。

ベトナム資本によって作られた企業や、日本人によって作られた企業、日本のオフショア拠点が他社の案件も受けるようになったサービスなど、形態が多様化しています。

目的にあった企業を以前よりも簡単に見つけていくことができるようになりました。

また、拠点も多様化しています。以前はハノイやホーチミンが主流でしたが、ダナンやフエといった地方都市を拠点とする企業も増えてきています。そのため、コスト面でもさまざまな選択肢から企業を選べるようになったのです。

合わせて読みたい>>ベトナムオフショア開発を使ったマイグレーション事例から見えるオフショア利用時のコツ

まとめ

いかがでしたか。本日はベトナムオフショア開発でコストが削減できるのかという疑問に関して紐解いていきました。

結論は、「工数の多く、長期の開発を必要とする大規模開発で大きくコストを削減できる」ということでしたね。

その背景にはベトナムオフショアは、ラボ型契約が主流で、技術力のあるエンジニアやPMが多くいるということがありました。

単価が上がり、コストメリットが少なくなっているというイメージを持たれがちですが、選択肢も多様化していて、ニーズにあった開発ができるベトナムオフショア。

そんなベトナムオフショアは、あなたの開発をサポートしてくれるに違いないでしょう。

dehaでも、5年間に渡り、日本のクライアント様とベトナムオフショア開発を行っています。

「ベトナムオフショアについてもっと知りたい」「エンジニアの質を知りたい」そんな方はぜひお気軽にお問合せください。

お問い合わせはこちらから

makka

Recent Posts

【2025年】円安がいつまで続く?オフショア開発に与える影響

2025年8月時点におけるドル/円(USD/JPY)の為替レートは、およそ ¥146.9です。 円安傾向は続いており、過去数十年のトレンドとも重なりつつ、依然として投資・政策動向から注目を浴びています。 この記事ではそんな円安に着目してオフショア開発に与える影響を見ていこうと思います。 オフショア開発を始めたい方 社内のIT人材が不足している方 開発効率を上げたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばオフショア開発に円安がどう影響するのかがわかるのはもちろん、いつ始めるべきかまで丸わかりですよ。 (more…)

12 hours ago

エンタープライズ向け生成AI導入の活用事例、今後の展望

近年、生成AI(Generative AI)はビジネスの在り方を大きく変革する技術として急速に普及しています。 文章、画像、音声、コードなど、多様なコンテンツを自動生成できるこの技術は、従来の業務効率化だけでなく、新たな価値創出や顧客体験の革新にも直結します。 特にエンタープライズ(大企業)においては、膨大なデータ資産や高度なセキュリティ要件、複雑な業務プロセスを背景に、生成AIの導入が戦略的な投資対象として注目されています。 この記事ではそんなエンタープライズ向け生成AIについて具体的な活用事例や導入ステップなど徹底解説していきます。 (more…)

1 week ago

生成AIサービスの導入形態:3つのタイプと最適な選び方

近年、生成AI(Generative AI)は文章生成、画像生成、音声合成、プログラムコードの自動生成など、幅広い分野で実用化が進んでいます。 業務効率化や新しい価値創造の手段として注目され、さまざまな業種で導入が加速しています。 しかし、生成AIサービスを導入するにあたり、どのような形態で利用するかは企業の戦略や要件によって異なります。 この記事では、主な導入形態としてSaaS型の生成AIサービス、オンプレミス型生成AIサービス、API/PaaS活用型生成AIサービスに着目し、それぞれの特徴・メリット・デメリット・選び方のポイントを整理します。 生成AIサービスを導入したい方 生成AIサービスのタイプを知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば生成AIサービスについてどんな特徴があるのかがわかるのはもちろん、適切な選び方まで丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

【2025年予測】生成AI市場展望と業務への活用動向

2025年、生成AIはビジネスと社会の在り方を大きく変えつつあります。 大規模言語モデル(LLM)、マルチモーダルAI、RAG、AIエージェントといった技術革新が進み、企業の業務効率化から新しい価値創造まで、その活用範囲は急速に広がっています。 この記事ではそんな生成AI市場について、今後の展望や業務への活用について動向などを見ていきます。 生成AIを活用したい企業の方 業務を効率化したい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば生成AI市場について現状と今後の展望が丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

AIエージェントの活用による弊社の成功事例をご紹介

近年、AI技術の進化とともに、業務効率化やサービス向上を目的とした「AIエージェント」の導入が急速に進んでいます。 弊社でも、この流れを受けてAIエージェントの導入を進め、多くの現場で業務の質とスピードの両立を実現することができました。 この記事では、実際に弊社が取り組んだAIエージェントの活用事例を紹介しながら、AI導入によるメリットとその可能性についてご紹介いたします。 AIエージェントが気になる方 AIエージェントの事例が知りたい方 社内の人材不足にお悩みの方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばAIエージェントの成功事例が丸わかりですよ。 (more…)

4 weeks ago

AIエージェント導入によくある課題と解決方法

近年、業務効率化や顧客対応の高度化を目的として、企業や自治体、教育機関など多くの組織で「AIエージェント」の導入が進んでいます。 AIエージェントとは、人工知能を活用して自動的に応答や処理を行うシステムの総称で、チャットボットやバーチャルアシスタント、RPA(Robotic Process Automation)などが含まれます。 しかしながら、AIエージェントの導入には多くの期待が寄せられる一方で、現場ではさまざまな課題に直面するケースも少なくありません。 この記事では、AIエージェント導入によくある課題とその解決方法について、具体的に解説していきます。 AIエージェントに興味がある方 AIエージェントの導入に不安がある方 社内の人材不足にお悩みの方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばAIエージェントの特徴がわかるのはもちろん、うまく活用するための方法もわかりますよ。 (more…)

4 weeks ago