Categories: オフショア開発

2020年のオフショア開発事情・ベトナムが熱い理由

昨年は新型コロナウイルスの影響もあった1年でした。

しかしそんな混乱の2020年でも、オフショア開発、特にベトナムオフショアが盛り上がっていました。

この記事は「なぜ2020年のオフショア開発が盛り上がっていたのか」「なぜベトナムオフショアが熱いのか」について徹底解説をしていきたいと思います。

・ベトナムオフショアが気になる方
・最近のオフショア事情が知りたい方
・社内のIT人材が不足している方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばなぜ近年のオフショア開発がここまで注目を浴びているのかが分かりますよ。

2020年のオフショア開発事情・ベトナムが熱い理由

以下の2点より、2020年もオフショア開発自体は魅力的な選択肢でした。

  • 日本国内でのITエンジニアの確保が難しい
  • 低コストでの海外進出が可能になっている

また、オフショア開発を検討するなら、ベトナムをおすすめしたい理由は以下通りです。

  • IT人材が豊富
  • 最先端技術に強い
  • 低コスト開発が可能
  • 日本との相性が良い

それぞれ詳しく解説します。

日本国内でのITエンジニアの確保が難しい

日本国内では、深刻なIT系人材の不足が続いています。

経済産業省の発表した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には需要に対して約45万人の不足になるとのことです。

実際、日本国内で募集をかけても即戦力となる人材はなかなか確保できず、未経験からエンジニアを育てたとしても、一人前になるまで教育する余裕を取れない場合がほとんどです。

人材不足により、既存のベテランエンジニアに負担がかかり、さらなる離職に繋がるという悪循環もあります。

そこで解決策の一つとして、海外で開発を行うオフショア開発が注目されています。
2020年のコロナ禍においても、IT業界の需要は衰えていないため、今後もIT系人材の不足は続くと思われます。

低コストでの海外進出が可能になっている

Skypeやzoomなどのオンラインコミュニケーションツールの発達により、非常に低コストで、海外の開発会社と連携できるようになりました。

従来は海外進出自体に多額の投資が必要だったため、資金に余裕のある大企業のみが海外進出していましたが、近年では中小企業の海外進出も実現可能です。

このような状況の変化により、エンジニアチームを持つ企業でも「可能な部分はオフショアで」と分業するスタンスもみられるようになってきています。

ベトナムはIT人材が豊富

オフショア開発先の中でも、ベトナムはとても人気があります。
理由の一つが、人材の豊富さです。

ベトナムは、東南アジアでもトップクラスに人口が多い国であり2018年時点では、9600万人いる人口の半数以上が30歳以下と非常に若い国でもあります。

国策としてITの推進を行っており、毎年新しいIT技術者が増えていっている状況です。
そのためIT人材の宝庫として、非常に注目を集めています。

ベトナムは最先端技術の開発力が高い

ベトナムのオフショア開発で特に注目されているのが、最先端技術の開発力です。

  • AI(人工知能)開発
  • 自動運転
  • ブロックチェーン技術
  • AR(拡張現実)
  • VR(仮想現実)
  • MR(複合現実)
  • IoT (もののインターネット)

上記のような最先端技術は、日本だけでなく、世界からも注目を集めています。
これらは、金融、製造業、健康など多くの分野での活躍が期待されている技術です。

ベトナムでは、日本と同等以上に最先端技術の開発が進んでおり、国内のエンジニア不足と相まって、最先端技術での開発力を期待されている状況です。

低コスト開発が可能

ベトナム人エンジニアは、高品質を保ちながらも、アジアの他の国に比べて低賃金です。

ベテランエンジニアでも月に2000ドル前後(20万円弱)であり、これはタイやマレーシアの半分ほどです。

新卒者であれば月に280ドル(3万円弱)と、日本や韓国の5分の1程度の賃金にあたります。

このように、日本とベトナムでは物価の差があるため、間接費用などを考えても国内で開発するよりも大幅にコストを下げて開発することが可能です。

ベトナム全体の経済成長に伴い人件費は少しづつ上がっていく傾向にありますが、現時点では十分なコストメリットがあります。

日本と相性が良い

ベトナムは、日本と物理的に近く、時差が2時間ほどしかありません。

日本の朝10時に、ベトナムは朝の8時、という状況なので、双方の終業時間内で打ち合わせなどを行うことが可能です。

また、ベトナムは日本向けの開発市場として、急速に発展しているという状況もあります。

以前から、ベトナムは、オフショア先の一つとして候補に上がっていましたが、当初はコミュニケーションやクオリティの問題があり、日本向けの開発ができる開発会社は多くありませんでした。

しかし近年では、日本企業との取引実績がある開発会社は増加しており、ベトナム全体としても日本企業向けのオフショア開発を推進する動きがあります。

そのため、日本語対応可能の開発会社が増えていたり、日本の文化に合わせた開発スタイルに対応できる開発会社も増えてきています。

ベトナムという国の特徴

次に、オフショア開発とは別の側面からベトナムという国をみてみます。

ベトナムは1995年にASEAN(東南アジア諸国連合)に加入しました。

ASEANは2030年までに、EU、アメリカ、中国に匹敵する大きなマーケットに育つと言われています。

また、21世紀初めの10年間の成長力をみたとき、ベトナムは中国に次いで二番目に成長していました。

このような背景もあり、ベトナムは投資先の一つとしても注目されています。

特にICT産業は、急速に成長しており、2016年から2019年までの3年間で約1.7倍にまで成長しています。

ベトナムの2019年のICT産業の総売上は、日本円にして12兆円を超えており、ベトナムのGDPの約4割を占める規模です。

このようにベトナムという国自体をみても、IT業界をみても、急速に伸びており、IT人材の確保という意味でとても優れた国であることがわかります。

またインフラ面でも、着実に整備が進んでいます。安定したインターネットサービスが展開されており、15~24歳の人口の95%がインターネットを利用しています。国内でもすでに情報通信産業が身近になっており、問題なくオフショア開発を行える環境が整っています。

上記のような、IT業界の成長という面だけでなく、ベトナムは比較的親日な国といえます。

現時点で、国内情勢も安定しているため、デモや国際紛争による開発中断のリスクも低いです。

ベトナムでオフショア開発をするならdehaにご相談を

いかがでしたか。本日は2020年のベトナムでのオフショア開発について解説していきました。

以下のように、ベトナムオフショアには魅力がいっぱいです。

  • IT人材が豊富
  • 最先端技術に強い
  • 低コスト開発が可能
  • 日本との相性が良い
  • ベトナム自体が非常に成長している(特にICT産業)
  • インフラも整ってきている
  • 比較的リスクが低いと思われる

dehaは5年間にわたってベトナムでオフショア開発を行ってきました。

これまでの開発実績としては、以下のようなものがあります。

  • HPなどのweb制作
  • EC-CUBEやShopifyといったECプラットフォームを用いたECサイト開発
  • 問合せ管理システム
  • 見積書作成システム
  • SNSアプリ開発
  • フリマアプリ開発
  • 給与前払いアプリ開発
  • AIを用いた画像処理開発

シンプルなウェブサイトから、スマホアプリ、AIを用いた画像認識システムのまで多数のプロジェクトの開発に携わってきました。

ラボ型開発での、オフショア開発依頼も請け負っております。

オフショア開発に興味がございましたら、ぜひdehaにご相談くださいませ。

お問い合わせはこちらから

kataokayusuke

Recent Posts

TQA(技術品質保証)とは? 開発プロセスにおけるその役割と導入メリット

ソフトウェア開発において、品質の確保はプロジェクト成功の最重要テーマの一つです。 市場のニーズは高度化し、リリースサイクルは短期化し、開発チームの構成は複雑化しています。このような状況の中で注目されているのが TQA(Technical Quality Assurance:技術品質保証) です。 TQAは従来のQAと異なり、単にテスト工程で不具合を検出するだけではなく、開発工程全体の技術的な品質を可視化し改善するという役割を担います。 この記事では、TQAとは何か、その役割から導入メリットまで詳しく解説します。 TQAが気になる方 TQAの開発プロセスが気になる方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばTQAとは何かがわかるのはもちろん、導入メリットもわかりますよ。 TQA(技術品質保証)とは? TQAとは、技術的視点から開発プロセス全体の品質を管理・保証する取り組みを指します。従来のQA(Quality Assurance)が主に「プロセス管理」や「テスト計画・品質基準の策定」を担当していたのに対し、TQAはさらに踏み込んで、…

3 days ago

プロジェクト品質管理サービスとは?重要性とプロセスを解説

近年、システム開発・建設・製造・マーケティングなど、あらゆる分野でプロジェクトの複雑化が進んでいます。 市場の変化は速く、顧客の期待値も高まり続けるなか、企業に求められるのは「限られたコストと期間で、高い品質を確保した成果物を提供すること」です。 しかし実際には、品質のばらつき、手戻り、要件の理解不足、工程管理の不徹底などにより、多くのプロジェクトが計画どおりに進まず、結果的にコスト増や納期遅延という課題を抱えています。 こうした背景から注目されているのが プロジェクト品質管理サービス です。専門家による品質管理プロセスの整備・運用支援を通じて、プロジェクト全体の成功確率を高めるサービスとして、大企業から中小企業まで導入が広がっています。 この記事では、プロジェクト品質管理サービスの概要、必要性、導入メリット、サービス内容、実際の運用プロセスまでを詳しく解説します。 品質管理にお悩みの方 プロジェクト品質管理システムに興味がある方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事になっています。これを読めば、品質問題で悩んでいる組織やプロジェクトリーダーにとって、具体的な改善ヒントとなる内容がわかりますよ。 プロジェクト品質管理サービスとは? プロジェクト品質管理サービスとは、外部の専門チームやコンサルタントが、企業のプロジェクトにおける品質管理プロセスを整備し、品質向上やリスク低減を支援するサービスです。主に以下のような内容が提供されます。 品質基準・品質計画の策定 プロジェクト管理プロセスの構築・改善…

1 week ago

生成AIチャットボットは?従来のチャットボットの違い

近年、企業や教育機関、自治体を中心に「生成AIチャットボット」の導入が一気に広がっています。 ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)が急速に発展したことで、これまでのチャットボットでは実現できなかった高度な対話や柔軟な問題解決が可能になりました。 しかし、「生成AIチャットボット」と「従来型のチャットボット」は何が違うのか、具体的に説明できる人は意外と多くありません。 本記事では、両者の仕組みや特性、メリット・デメリット、そして導入時のポイントまで分かりやすく解説しています。 生成AIに興味がある方 チャットボットを導入したい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば生成AIチャットボットが、従来と比べてどう違うのかが丸わかりですよ。 チャットボットとは何か? チャットボットとは、ユーザーとの会話を自動で行うプログラムのことです。 ウェブサイトの問い合わせ窓口やアプリ内のサポート、コールセンターの一次対応など、さまざまな場所で活用されています。 従来のチャットボットは、多くの場合「ルールベース型」「FAQ型」「シナリオ型」と呼ばれる仕組みで動いていました。 これは、あらかじめ作成された回答やシナリオに沿って、決められたパターンの会話を実行する仕組みです。 一方、生成AIチャットボットは、文章を理解し、新たな文章を自動生成する能力を持つ「大規模言語モデル(LLM)」によって動作します。 これにより、従来型とはまったく異なる会話体験を提供できるようになりました。…

2 weeks ago

AI活用でコーディングが効率化し、開発のスピード3倍アップ

いま、ソフトウェア開発の現場で“静かな革命”が起きています。それは、AIがエンジニアの相棒としてコーディングを支援する時代の到来です。 「AIがコードを書くなんて、まだ先の話」と思われていたのはもう過去のこと。今ではAIが自然言語での指示を理解し、数秒でプログラムを提案・修正してくれるのが当たり前になりました。 その結果、開発スピードが従来の3倍に向上したという事例も続々と報告されています。 この記事では、AIがどのようにしてコーディングを効率化し、開発現場を変えているのかを具体的に解説します。 開発をしたい方 コーディングの効率を上げたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばコーディングにAIを活用する方法が丸わかりですよ。 コーディング現場の課題と限界 ソフトウェア開発の現場では、長年にわたって「納期の短縮」「品質の維持」「コスト削減」という三大課題がエンジニアを悩ませてきました。 近年では、ビジネス環境の変化がますます激しくなり、リリースサイクルの短期化が当たり前になっています。 特にWebサービスやモバイルアプリ開発の世界では、「スピードこそ競争力」と言われるほど、開発速度が事業の成否を左右します。 しかし、スピードを優先すれば品質が犠牲になり、品質を重視すれば納期が延びる――このジレンマに多くの開発チームが直面してきました。 加えて、エンジニアの人手不足は深刻であり、教育やナレッジ共有に割く時間も限られています。 限られたリソースでいかに生産性を高めるかが、開発現場における共通のテーマとなっています。…

2 weeks ago

要件定義フェーズをAI活用で解決する7つの問題と解決案

システム開発において最も重要であり、同時に最も難しい工程は何でしょうか。 多くのプロジェクトで共通して挙げられるのが 「要件定義」 です。 要求が曖昧なままプロジェクトが進むと、後工程での手戻りが一気に増え、QCD(品質・コスト・納期)は簡単に崩壊します。 実際に、プロジェクトが失敗する原因の6〜7割は、この初期工程である要件定義に起因すると言われています。それほど、要件定義は重要かつリスクの高いフェーズなのです。 しかし近年、AI技術の急速な進化により、従来の要件定義で「時間がかかる」「認識が揃わない」「情報が不足している」といった課題に対し、新たな解決策が生まれています。 この記事では、要件定義フェーズで頻発する7つの課題を取り上げ、それらをAIを活用してどのように改善できるのかを、具体例を交えて解説します。 要件定義フェーズでお悩みの方 AIを活用して開発効率を上げたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば要件定義で起こりうる問題とそれを解決する方法がわかりますよ。 問題1:要求が曖昧で担当者ごとに認識がズレる 要件定義で最初に直面する課題が「要求の曖昧さ」です。 ユーザー自身が課題を把握していても、機能としてどのように落とし込むべきか正確に説明できないケースは非常に多いです。…

3 weeks ago

システム開発のQCDは?プロジェクト管理を最適化

システム開発の現場では、「納期が守れない」「コストが膨らむ」「品質にばらつきがある」といった課題が常に発生します。 こうした問題の根底にあるのが、QCD(Quality・Cost・Delivery)のバランスです。 QCDは製造業を中心に使われてきた概念ですが、現在ではシステム開発やITプロジェクトの世界でも不可欠な管理指標として定着しています。 この記事では、QCDの意味とそれぞれの要素がプロジェクトに与える影響、さらに現代的な最適化の方法までを詳しく解説します。 システム開発を行いたい方 QCDについて知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばシステム開発のQCDについて丸わかりですよ。 (more…)

1 month ago