ベトナム情報

新型コロナ流行でグローバル企業はベトナムに生産拠点移転の傾向


はじめに

JLL (ジョーンズラングラサール株式会社)によると、近頃、製造企業が生産拠点を中国から東南アジアへ移転を開始するという傾向があるようです。

その中で、ベトナムが生産拠点の移転先として高い評価を得ています。そして、新型コロナショック後、その流れがさらに加速することと予想されます。

新型コロナウィルス感染が発生した中国で、製造業の多くが生産拠点の稼働を停止し、休業の困難を乗り越えるため、大企業では様々な対策を講じています。

昨年からいくつかのグローバル企業は中国からの撤退を開始しつつあります。そして新たな生産拠点の移転先としてベトナムに焦点を当てています。アメリカによる中国の対米国輸出品の関税率引き上げなどによる、価格の高騰に対応するために、中国に代わり、別の第三国の市場を探したいという理由からです。

アメリカ合衆国国勢調査局の2019年の調査データによると、ベトナムの対米国輸入品の数は前年同期比35.6%増になり、中国の対米国輸入品の数は前年同期比16.2%減になったようです。今年、新型コロナウィルス感染拡大によって各国の貿易データが大きな影響を受ける可能性があります。しかし、それによる供給チェーンの見直しによって、中国から東南アジアへ生産拠点移転の流行をさらに推し進めています。

JLLによると、新型コロナウィルスの影響で、もし現在の状態がずっと続いた場合、新しく発生したニーズに対応する様々な新しい業界も出てくるとされております。また、新型コロナウィルスの状況が落ち着いた時、市場は素早く回復し、さらに発展していくと判断されます。

新型コロナの世界的大流行は、グローバルなサプライチェーンに大きな混乱をもたらしています。従って、今回の経験から企業は二つのことを学ぶべきです。まず、多様化する生産事業ポートフォリオが必要です。また、一つの国に対する依存度を減らすことも必要です。

昨年の米中貿易摩擦の混乱もあり、新型コロナウィルス生産拠点移転をするきっかけとなる最も大きな一押しだったかもしれません。将来東南アジア諸国、特にベトナムは、グローバル企業に対して人気の生産拠点先になる見込みです。

一方、中国では付加価値を高める取り組みに注目する企業が増えています。世界中の大企業の太陽光発電や、5G関連システムや、AI開発や、電池製造などが集まっています。それらの企業が、高付加価値商品を作るため、政府の立場から見れば、給付税額を引き上げるようになります。さらに、中国政府も多くの都市環境改善を実施したいため、付加価値の生産はあまり環境汚染を引き起こさないというわけです。従って、よりクリーンで、より少スペースの付加価値生産に切り替えることで、生産土地が再開発されることになります。

しかし、JLLによると、全ての製造業界を簡単にベトナムへ生産拠点移転することはできないそうです。現在、中国の労働者の単価がベトナム人より3倍ですが、より高いスキルがあると評価されました。また、中国人の海外労働者(実習生)によるリソースがベトナムより多いので、中国における生産規模のように広がる可能性がないようです。さらに、中国の国内市場向けに多くの製造の商品を提供する必要も依然とあるので、中国国内の生産拠点が全て海外に移転することはありません。

J LLの代表による、「長期間で考えると、供給チェーンの継続性を確保できるし、将来、また新型コロナショックのようなリスクを減らすため、多くの企業は製造の生産戦略を変更する可能があります。そうする事で、持続可能で高いパフォーマンスを維持できるし、製造拠点の環境負荷を低減すると共に、小売業者は国内市場で製造生産・購入することを選択できる」と述べた。

まとめ

新型コロナの感染拡大の影響で、製造拠点の分散が進みます。そのことが、東南アジア、特にベトナムに対すチャンスでもありますし、チャレンジでもあります。

先日、日本経済新聞の情報によると、今年3月からベトナムでAppleの無線イヤホン(AirPods)の量産を開始したようです。ベトナムにおけるAirPods出荷台数は300万~400万台となり、全体の30%程度に達する見通しです。(詳細の情報はこちらです

このような生産拠点移転の情報は今後さらに増えてくると思います。

翻訳版

<翻訳元>

https://cafebiz.vn/nhieu-cong-ty-nuoc-ngoai-da-tinh-den-viec-chuyen-nha-may-san-xuat-sang-viet-nam-sau-dich-covid-19-20200414184636458.chn

著者:  Phương Nga (フォン・ガー)


Hungtv

Recent Posts

予約システム開発の機能と費用相場を解説|オフショア開発

ビジネスのオンライン化が進む中、予約システムの導入はさまざまな業種で必須ともいえる存在になっています。 業務効率化や顧客満足度の向上に寄与する予約システムですが、その機能や開発費用はどのようなものなのでしょうか。 この記事では、予約システムの概要や導入メリット、具体的な機能、そして開発費用の相場を解説します。 予約システムを導入したいとお考えの方 予約システムの費用相場が知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば予約システムの機能や費用の相場がわかるのはもちろん、オフショア開発によってコストを抑える方法も丸わかりですよ。 (more…)

2 days ago

在庫管理システム導入メリットや相場費用|オフショア開発

ビジネスを効率的に運営するうえで欠かせないのが「在庫管理」です。 しかし、多くの企業がこの在庫管理においてさまざまな課題を抱えているのが現実です。 手作業での記録ミス、在庫過多や欠品、データの属人化など、管理の煩雑さが業務全体に影響を与えるケースも少なくありません。 そこで注目されているのが「在庫管理システム」の導入です。 この記事では、在庫管理における課題からシステム導入のメリット、機能、そして導入費用の相場までを解説します。 在庫管理システムを導入したいとお考えの方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば在庫管理システムの導入メリットがわかるのはもちろん、オフショア開発での導入事例も交えて、より現実的な選択肢についてもわかりますよ。 (more…)

1 week ago

2025年のベトナム デジタル状況、最新動向

2025年におけるベトナムのデジタル環境は、急速に進化を遂げています。 国民のインターネット利用率は約78.8%、SNS利用者数は約7,620万人に達し、デジタル領域は日常生活の中で欠かせない存在となっています。 特に、SNSはベトナム国内の若者を中心に急成長を遂げており、企業のマーケティングにおいても強力なツールとして活用されています。 この記事では、2025年のベトナムにおけるデジタルの現状の他、SNSの利用状況、広告リーチ、各プラットフォームの成長トレンドなどを具体的なデータとともに紹介します。 ベトナムデジタル事情が気になる方 ベトナムオフショアが気になる方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば企業がベトナム市場でデジタルマーケティング戦略を立てる際に重要となるインサイトを得ることができますよ。 (more…)

1 week ago

請求システム導入で業務効率化を実施|開発の費用相場

請求システムを導入することで請求書作成の人的ミスを防ぎ、管理も楽に行うことができます。 この記事ではそんな請求システムの導入について具体的なメリットや開発費用などについて徹底解説していきます。 請求システムを導入したい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば請求システムについてわかるのはもちろん、開発にかかるコストまで丸わかりですよ。 (more…)

4 weeks ago

見積作成システム導入メリットや相場費用 |オフショア開発

見積作成は多くの企業で重要なプロセスですが、手作業やエクセル管理では多くのミスの恐れがあり、人的負担も懸念されます。  そこでおすすめなのが見積作成システムの導入です。見積作成システムを導入することで業務の効率化を図ることができます。  この記事ではそんな見積作成システムについて導入メリットや費用などについて徹底解説していきます。  見積作成システムが気になる方  見積作成に多くの時間を費やしている方  社内のIT人材が不足している方  これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば見積作成システムの導入メリットや必要性がわかるのはもちろん、DEHAソリューションズでの具体的コストなどについても丸わかりですよ。  (more…)

1 month ago

CRMの必要性は?基本機能やシステム導入の相場費用を解説

顧客データの一括管理ができるCRMは仕事の効率化や顧客満足度向上のための有用なツールです。 近年導入する企業が増えているCRMですが、導入には一定の費用がかかります。 本日はそんなCRMについてシステム導入には具体的にいくらかかるのかや、導入の基本機能などについて紹介していきたいと思います。 CRMの必要性が気になる方 CRMについて詳しく知りたい方 CRMの導入費用が知りたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばCRMについて具体的にいくらかかるのかや、CRMの導入方法まで丸わかりですよ。 (more…)

1 month ago