ベトナム情報

【最新版】IT人材規模が53万人超!ベトナムIT市場の2024年〜2025年の調査レポートと動向

ベトナムはIT人材規模が53万人を超え、ますます注目の国の1つとなっています。

この記事ではそんなベトナムのIT市場について、Vietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscapeをもとに最新の情報をお伝えしていきます。

  • ベトナムのIT市場が気になる方
  • ベトナムのオフショア開発を検討中の方
  • 社内のIT人材が不足している方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばベトナムの最新のIT市場の動向がわかりますよ。

ベトナムのGDP

2023年のベトナムのGDP(国内総生産)は世界第34位で、4300億ドル。

前年比5.05%増となりました。2024年通年のGDP成長率は、6.55%~6.95%に達すると予測されています。

ベトナムは、経済改革や公共投資資金の執行、信用供与の拡大、労働生産性の向上、ビジネス環境の改善、そして国家競争力の向上に向けた管理策を実施しています。

最新の世界銀行(WB)の報告書では、ベトナムを「世界的な経済スター」として評価しています。

Vietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscape

ソフトウエアの輸出は明るい兆し

2023年上半期、ICT産業の収益は前年比で減少しましたが、ソフトウェアの輸出は依然として明るい兆しであり、いくつかの外国市場で多くの企業が良好な成長を維持しています。

情報通信技術省副局長のNguyen Thien Nghia氏は、2022年上半期において、経済の不況やロシア・ウクライナの紛争の影響により、サプライチェーンが混乱したため、IT製品およびサービスの輸出が急落したと述べました。

そのうち、ハードウェアと電子製品の輸出は前年同期比で9%以上減少しました。この中で、ソフトウェア輸出セクターは、日本やアジア太平洋地域など一部の市場で良好な成長を維持しています。

ベトナムを支える若い労働力

ベトナムのほとんどの開発者は、GenZ世代およびミレニアル世代に属しています。

雇用主は、年齢、興味、洞察力に注意を払い、現在の多世代採用トレンドに適合するように採用計画を調整する必要があります。

こうした若い世代は、技術や情報通信技術に熟練していることが特徴です。

彼らは柔軟性があり、急速に変化する労働市場に適応しやすく、新しい技術やビジネスモデルに対する理解も深いです。

Vietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscape

また、彼らは創造性やイノベーションの推進力としても注目されています。ベトナムの若者は、企業の成長と発展に向けた意欲的な労働力であり、国の持続可能な発展に貢献しています。

ベトナムで人気の開発言語・フレームワーク

JavaScriptは他のITスキルとともに最も人気のあるプログラミング言語です。

2023年に導入された新しい「Bun」は、急速に多くのユーザーを引き付け、以前のトップ3であるNode.js、Angular、ReactJSを追い抜きました。

Javaを使用する際のトップ選択肢は、Spring Boot/Springで、次にHibernateとStrutsが続きます。

LaravelはPHP技術スタックで最も人気のあるフレームワークで、75%以上のシェアを誇り、次いでCodeIgniterとSymfonyが続きます。

Pythonスタックでは、Django、Pandas、Flaskがトップ3の選択肢です。

MySQLはSQL技術スタックで引き続きリーダーで、78%以上のシェアを持っています。モバイル開発においては、Java、Swift、Flutterが主要な選択肢です。

クラウド技術に関しては、AWSが依然として35%以上のシェアを持ち、Azure、VMware、Firebase、GCPが続きます。

Vietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscape

開発者の教育バックグラウンドと技術取得方法

開発者の多くが、大学(52%)やカレッジ(22%)でIT技術を取得しています。

60%以上の開発者は、公式ドキュメントを新しい技術を学ぶ主な方法として利用しています。

また、AIやChatGPTの登場により、学習方法が変化し、43%の開発者が新しいことをChatGPTで学んだと回答しています。

Vietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscape

最新のテックトレンドやニュースを常に把握するために、75%の開発者がテックブログを読み、42%がテックファンページをフォローしているとのことです。

ビデオ市場のメガトレンドを追いかける中、YouTubeやTikTokのビデオチャンネルは、ビデオやエンゲージメント形式を通じて開発者に多くの新しいテックニュースをもたらしています。

ベトナムアウトソーシングマーケット

ベトナムのITアウトソーシング市場は、より多くの外国企業を引きつけています。

2023年の世界経済の低迷にもかかわらず、80%のアウトソーシング企業は依然としてデベロッパーの採用を続けました。

2021年から2023年にかけて、ベトナムで最も多くのデベロッパーを採用した企業(上位1200社)のデータに基づくと、40%がアウトソーシング企業で、そのうち42%がベトナム企業、58%が外国直接投資(FDI)企業でした。

FDI企業の採用数が最も多かった国は、日本、米国、ドイツ、韓国、フランス、シンガポールとなっています。

ミドルおよびシニアレベル、リーダーレベルの需要増大

2022年から2023年にかけて、職位別のITジョブの分布に顕著な変化があります。

まず、グラフを見てわかるようにミドルおよびシニアレベルは両年ともに大きな割合を占めています。これは経験豊富なITプロフェッショナルへの一貫した需要を示しています。

困難な経済状況で給与予算が縮小し、業務運営の要件が増加する中、シニアおよび経験豊富な開発者の必要性が必然的に高まります。

これによりプロセスが迅速化され、高品質の製品の開発が確実に行われます。重要なのは、シニア開発者であることは単に経験年数によってのみ決定されるのではなく、さまざまな要因の組み合わせであることです。

ベトナムには多くの若手で才能ある開発者がいますが、多くは効率的な作業に必要なコミュニケーション、チームワーク、自己組織化、問題解決能力などのソフトスキルを欠いています。

また、企業の製品やサービスを明確に理解するための実践的なビジネスマインドも不足しており、開発成果の貢献度や影響力が制限される可能性があります。

これにより、技術企業の成長を阻害するスキルギャップが生じる可能性があります。

またリーダー、マネージャーレベルは、2022年から2023年にかけてのITジョブの割合が増加しています。

これは、IT業界におけるリーダーシップとマネジメントのスキルを持つ個人への成長する需要を示しています。

Vietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscape

ベトナムでニーズのある開発、開発言語

雇用主の大多数は、ほとんどの場合、バックエンド開発者、フルスタック開発者、フロントエンド開発者を必要としていると述べています。

Vietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscape

ベトナムおよび地域全体で特定の技術スタックの人気に若干の変化があったものの、企業が最も求めているITスキルは以前の年とほぼ同じです。

トップ5にはJavaScript、Java、PHP、C#/.Net、Pythonが含まれており、約80%の企業がJavaScript開発者を求めています。

Vietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscape

外国語対応、スキル

ほとんどの企業は、開発者が少なくとも基本的で限定的なレベルの外国語能力を持っていることを期待しています。

これらの企業は、管理職や顧客が頻繁に英語を使用するため、英語の能力を重要視しています。

市場で日本語が必要な求人の割合は3.5〜4.0%であり、韓国語が必要な求人の割合は1.0%未満ですが、ほとんどの求人は「プロフェッショナルな作業」レベルを要求しています。

ここでの開発者は、仕事や日常のコミュニケーションに日本語や韓国語を使用します。

このレベルの外国語流暢さが求められる人気のあるポジションには、ITコンサルタント、プロジェクトコーディネーター、プロジェクトマネージャー、ブリッジエンジニア(BrSE)、ビジネスアナリストなどがあります。

英語でプロフェッショナルな作業を要求するJDの平均給与は、すべてのJDの平均よりも27%高く、同レベルの日本語や韓国語は少なくとも38%高いです。

ベトナムエンジニアの転職のきっかけ

昨年の回答とは異なり、開発者が新しいオファーを検討する際のトップ2の項目は、「企業の技術スタック」(56%)と「企業の財務安定性」(43%)です。 

「企業の財務安定性」は、厳しい状況の中でこの期間に新しいオファーを検討する際に、候補者にとってより重要になっています。

これはコロナのパンデミックやロシアウクライナ情勢など不安定な経済状況が影響していると言えます。

Vietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscape

まとめ

いかがでしたか。本日はVietnam IT Market Report 2024 – 2025 | Vietnam IT & Tech Talent Landscapeをもとに、ベトナムITの状況と動向について紹介していきました。

不安定な経済状況が続く中、ベトナムはソフトウェア輸出を中心に高いGDP水準をキープしています。

若いエンジニアが経済を支える中、リーダーシップやコミュニケーション能力が求められています。また経験のあるシニア層・日本語の話せるエンジニアの需要も増加していましたね。

DEHAソリューションズでは、こうしたベトナムエンジニアによるオフショア開発を5年以上に渡り行っています。

エンジニアの質や具体的な開発実績、費用面など気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。

makka

Recent Posts

システム開発のQCDは?プロジェクト管理を最適化

システム開発の現場では、「納期が守れない」「コストが膨らむ」「品質にばらつきがある」といった課題が常に発生します。 こうした問題の根底にあるのが、QCD(Quality・Cost・Delivery)のバランスです。 QCDは製造業を中心に使われてきた概念ですが、現在ではシステム開発やITプロジェクトの世界でも不可欠な管理指標として定着しています。 この記事では、QCDの意味とそれぞれの要素がプロジェクトに与える影響、さらに現代的な最適化の方法までを詳しく解説します。 システム開発を行いたい方 QCDについて知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばシステム開発のQCDについて丸わかりですよ。 QCDとは何か──システム開発を支える3本柱 まずはQCDの各要素について詳しく見ていきましょう。 Quality(品質) 品質とは、システムが要求仕様を正確に満たし、安定して動作することを指します。ここでいう安定性とは、想定外の入力や負荷にも耐え、継続的に正しい処理を行えることを意味します。 また性能面では、レスポンスの速度や処理効率、同時接続数への対応力などが評価されます。ユーザビリティは操作のしやすさや直感的なインターフェースを含み、セキュリティは不正アクセスや情報漏えいを防ぐ仕組みを指します。 さらに、保守性や拡張性も品質の重要な要素であり、将来的な機能追加や変更に対応できる設計であるかも考慮されます。 品質が低い場合、ユーザーの信頼を失うだけでなく、後工程での手戻り作業や修正工数が増大し、結果として開発コストや納期に大きな影響を与えます。…

2 weeks ago

アジャイル開発とウォーターフォール開発でリスクとスピードを徹底比較

システム開発の現場では、プロジェクトの進め方として「ウォーターフォール開発」と「アジャイル開発」が広く知られています。 どちらも目的は同じ──高品質なシステムを納期内に完成させることですが、そのアプローチはまったく異なります。 この記事では、特に「リスク」と「スピード」という2つの視点から両者を徹底比較し、それぞれの長所・短所、そしてどんなプロジェクトに向いているかを解説します。 アジャイル開発やウォーターフォール開発の違いを知りたい方 社内のIT人材が不足している方 システム化開発を行いたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばアジャイル開発とウォーターフォール開発のそれぞれの特徴が丸わかりですよ。 ウォーターフォール開発とは ウォーターフォール開発(Waterfall Model)は、上流から下流へと「滝のように」工程が流れる開発手法です。 要件定義 → 設計 → 実装…

2 weeks ago

ウォーターフォール開発は?システム開発の進め方、特徴

システム開発の現場では、「ウォーターフォール開発」や「アジャイル開発」といった言葉をよく耳にします。 その中でもウォーターフォール開は、最も古くから使われている伝統的な開発手法の一つです。 この記事では、ウォーターフォール開発の流れ、特徴、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。 システム開発を行いたい方 ウォーターフォール開発のメリットデメリット知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばウォーターフォール開発の進め方や特徴が丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

【必見】AIを活用した高度なデモが製品改善と市場理解にもたらす効果解説

製品やシステムの開発においてデモは、単なる機能紹介ではなく、顧客との信頼構築・製品改善・市場理解のすべてを支える重要なプロセスです。 特にAI技術が進化した現在、従来型のデモ手法では捉えきれない顧客のニーズを可視化し、より精密に対応するための「次世代型デモ」が求められています。 この記事では、DEHAが提供するAI活用型デモソリューション「SmartDemo」を中心に、システムデモの意義とその効果を詳しく解説します。 AIのデモンストレーションが気になる方 デモンストレーションの活用方法が気になる方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデモがもたらす効果が丸わかりですよ。 (more…)

3 weeks ago

リーンスタートアップ・フレームワークは?基礎知識と実践的な計画の書き方

「リーンスタートアップ」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 従来のように「時間と資金をかけて完璧な製品を作る」方法では、変化の激しい現代の市場に対応しづらくなっています。 そんな中、少ないリソースで、素早く学び、改善しながら成功確率を高める方法論として注目を集めているのが、リーンスタートアップ・フレームワークです。 この記事では、リーンスタートアップの基本的な考え方から、実際に事業計画へ落とし込むための手順までをわかりやすく解説します。 リーンスタートアップ・フレームワークについて気になる方 事業計画の書き方についてお悩みの方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばリーンスタートアップ・フレームワークの概要がわかるだけでなく、実践方法も丸わかりですよ。 (more…)

4 weeks ago

プロジェクト管理におけるシステム開発ロードマップの必要性、作り方コツ

システム開発の現場では、「納期に間に合わない」「仕様変更が頻発して混乱する」「優先順位が曖昧でチームが迷走する」といった課題が少なくありません。 これらの多くは、プロジェクトの全体像の欠如に起因しています。 開発プロジェクトを成功に導くためには、関係者全員が同じゴールと進行方向を共有することが欠かせません。 そのための強力なツールが「システム開発ロードマップ(Development Roadmap)」です。 そこでこの記事では、ロードマップの必要性、作成の手順、そして実務で役立つコツを詳しく解説します。 システム開発をしたい方 社内のIT人材が不足している方 効率よくプロジェクト管理を行いたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばプロジェクト管理のコツがわかりますよ。 システム開発ロードマップとは システム開発ロードマップとは、開発プロジェクトの全体像を時系列で可視化した計画図のことです。単なるスケジュール表ではなく、以下のような情報を統合的にまとめた「戦略的な地図」です。 開発の目的・ゴール 主要なマイルストーン(例:要件定義完了、テスト開始、リリース予定日) フェーズごとの作業内容…

4 weeks ago