皆さんはBrSE(ブリッジシステムエンジニア)という言葉はご存知でしょうか。
BrSEはその言葉の通り、Br(ブリッジ)の役割をするSE(システムエンジニア)のことです。
SEは「クライアントへのヒアリングやシステム設計を行う人」で、ITプロジェクトを推進するにあたって、要とも言える存在です。
では、BrSEは何をする人なのでしょう。どのような役割があって、どのようなスキルを持った人が担当するのでしょうか。
本記事では、ブリッジSEの全体像についてご紹介します。
オフショア開発国の中でも注目されているベトナムのオフショア開発の注意点や費用・他の国との比較については「【保存版】ベトナムのオフショア開発まとめ~メリットデメリット・費用・会社選び~」で解説していますので、合わせてご覧ください。
ブリッジSEとはその名前の通りに、日本側の企業とオフショア開発先の企業の「橋渡し」であり、両方を繋ぐ担当者といいます。
日本にいるクライアントからヒアリングした内容を、海外にいる開発者に伝える、国内と海外の取りまとめの役割を担います。
ブリッジSEには技術面に加えて、マネジメントスキルも要求される為、経験がスキルが必要な重要な役割です。
オフショア開発のような国際的なチームで開発を進める場合、それぞれの国の文化、言葉、時差、価値観などの違いから、お互いを知らずに仕事を進めてしまうと、プロジェクトの進捗や品質などに大きな影響を与えることもあります。
そのため、お互いの情報の橋渡しを行う人が必要になります。この役割を担うのがBrSEなのです。
発注者の案件対し、プロジェクトの計画の立案、 仕様書の徹底理解・展開、プロジェクトの進捗状況・リスク管理、 納品の期間・品質の管理を行います。
つまり、日本側の発注者と現地オフショア開発チームとの間に立ち、様々な面でのプロジェクト管理を担うのです。
ブリッジSEには、一般的なSEより様々なスキルが求められます。
開発する際に、SEとしての技術や開発関係の知識は必須です。BrSEが技術を詳しく理解していなければ、発注者とチームに情報伝達ができず、スムーズに仕事ができないと思われます。
日本側発注者とのやりとりを行う為、日本語能力は必須です。それに加えて、高いコミュニケーション能力も重要となっています。
両方の要求や希望などを正確に伝えることが求められ、また、両国の文化や国民性を深く理解する意欲と行動力が必要となります。
計画の通りに仕事の進めるための調整、プロジェクトの進捗や納期の管理も、BrSEの大切なスキルの1つです。
管理の経験があれば、プロジェクトを進めやすいでしょう。
それ以外にも、根気強さ、ビジネス分析・交渉の能力、柔軟性なども重要だと言えます。
コミュニケーション不足による認識のズレを生み出さないためにも、綿密なコミュ二ケーションをとり、信頼関係を築くことが重要です。
文化の違いのよる相手に対する勘違いを最小限に抑えるため、BrSEとして両方に配慮し、バランスを取らなければなりません。
リモートでの開発なので、仕事に関する連絡・報告がメールやチャットツールになるでしょう。
打ち合わせなどもビデオカールや音声会議システムなどを利用する方が多いです。
そのため、直接に会って行う場合と比べて、不便に感じることもあります。
一般的にオフショア開発では、現地との時差があるため、直接のミーティング機会が限られ、コミュニケーションを取りにくいです。
ただし、オフショア開発先がベトナムだと、時差は2時間であるため、お互いに調整しやすいと思われます。
これまでに弊社で実際に発生した問題は、次の通りです。
· プロジェクトの進捗が遅い
· 要求の変更が多い
· チームのメンバーが急に退職する
· 報告が実際の状況と違う(特に、BrSEが日本側の発注者にオンサイトする場合)
などがあります。
PMP資格は、プロジェクト管理の専門知識を証明する国際的に認められた資格です。
ブリッジSEは多国籍プロジェクトを管理することが多いため、プロジェクトの計画、実行、監視、制御、完了の各プロセスに関する知識は非常に役立ちます。
PMP資格を持つことで、プロジェクトマネージャーとしての信頼性が向上し、プロジェクトの成功率を高めることができます。
特に大規模なプロジェクトにおいては、リーダーシップスキルとプロジェクト管理のベストプラクティスを活用することで、チームの効率と成果を最大化できます。
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母国語としない人々のための言語能力を評価する試験です。
ブリッジSEとして働く場合、日本企業と海外チームの間でのコミュニケーションが重要です。
高い日本語能力を持つことは、正確な意思疎通と円滑な業務進行に役立ちます。
特にJLPT N1やN2レベルを取得していると、ビジネス日本語に対応できることが証明され、クライアントやチームメンバーとの信頼関係を築く上で大きなアドバンテージとなります。
ITパスポート試験は、ITの基本知識を評価する国家試験です。ブリッジSEは技術的なバックグラウンドを持つことが求められるため、ITパスポート試験で得られる知識は基礎として役立ちます。
情報システムやネットワーク、セキュリティ、データベースの基本概念を理解することで、技術的な問題の解決や、技術者とビジネス側の橋渡しを効果的に行うことができます。
この試験を通じて、幅広いIT分野の基礎知識を習得することができます。
FE試験は、情報処理技術者試験の一つで、基本情報技術者としての能力を評価します。
ブリッジSEにとって、システム開発や運用の基礎知識を持つことは重要です。
FE試験に合格することで、アルゴリズム、プログラミング、ネットワーク、データベースなど、システム開発の基本的なスキルを証明できます。
これにより、開発チームとの技術的なコミュニケーションが円滑になり、プロジェクトの技術的な側面をより深く理解できるようになります。
CAPM資格は、プロジェクト管理の基礎知識を証明する国際資格です。
PMPと同様に、プロジェクト管理の知識を習得することができますが、CAPMは経験が少ない人向けの資格です。
ブリッジSEとしてキャリアを始める際、CAPM資格を取得することで、プロジェクト管理の基本的なスキルを証明し、プロジェクトマネージャーの補佐としての役割を果たす際に役立ちます。
この資格を持つことで、プロジェクト管理の基本的な概念やプロセスを理解し、より効率的に業務を遂行することができます。
ブリッジSEの将来性は、グローバルなビジネス展開が進む現代において非常に高いと言えます。
特に日本企業が海外進出を加速させる中で、ブリッジSEの需要は増大しています。以下にその理由について解説します。
ブリッジSEの需要性はITアウトソーシングの増加とともに高まっています。多くの企業がコスト削減や技術力の向上を目指して、開発業務を海外に委託するケースが増えています。
この際、言語や文化の壁を超えてプロジェクトを成功に導くために、ブリッジSEの存在は不可欠です。
特に、アジア地域(例えば中国、ベトナム、インド)との協力が多い日本企業にとって、これらの地域の言語やビジネス習慣に精通したブリッジSEは重宝されます。
AIやIoT、クラウドコンピューティングといった先端技術の進化に伴い、これらの技術を活用した国際プロジェクトも増加しています。
ブリッジSEは、これらの最新技術に対応するための技術力と、異なる技術背景を持つチーム間の橋渡しを行うスキルを兼ね備えていることが期待されます。
したがって、継続的なスキルアップと最新技術への理解が求められますが、それができる人材は非常に高く評価されるでしょう。
最後に、リモートワークやオンライン会議の普及により、物理的な距離を超えたプロジェクトが増えています。
これにより、ブリッジSEは地理的な制約を受けずに活躍できる場が広がっています。
特にパンデミック後のニューノーマルな働き方において、リモートでのコミュニケーション能力が一層重要視されるでしょう。
いかがでしたか。本日はブリッジSEについて、どのような仕事内容なのかや将来性、必要なスキルなどについて解説していきました。
ブリッジSEはオフショア開発を行う上で、日本側の企業とオフショア開発先の企業の橋渡しとなる重要なポジションです。
ブリッジSEはスキル面だけではなく、コミュニケーション能力やマネジメントスキルを問われます。
大変な側面も多いですが、将来性も高く今後も重要なポジションであることは間違いありません。
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