オフショア開発において品質評価をきちんと行っている会社であればあるほど、高品質の開発を行うことができます。
しかしそんな品質評価にはさまざまな要素があり、システム開発会社選定で利用するには難しい側面もあります。
そこで品質評価を見える化したさまざまな国際規格が存在するのです。
この記事ではそんなオフショア開発の品質評価について、どんなものなのか、国際規格とはどういうものがあるのかなど徹底解説していきます。
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばオフショア開発の会社選定で注目したい品質評価のポイントと参考になる国際規格がわかりますよ。
システム開発では、プログラミングの工程だけで高品質が問われるのではなく、要求仕様を聞き出す際の品質、テスト、納品後の保守やメンテナンスなど、各段階で品質評価を行っていかなくてはなりません。
特にオフショア開発はエンジニアとの物理的距離も遠く、言語も異なるせいか、要求通りの開発ができなかったなんて声もあったりします。
ここからは要求仕様、テスト、保守・メンテナンス各段階の品質評価に関して、それぞれどういうものなのか解説していきます。
システム開発では要求仕様過程の段階から品質評価はスタートしています。
要求定義の段階では、いかに発注者の希望や目的を引き出せるかが重要となっていきます。
そもそもなぜその開発投資を行っているのか、課題は何なのか、課題解決のために何が必要なのか…。
このようにシステムプロジェクト開発の課題を洗い出していくことで高品質の開発に繋がっていくのです。
設計過程では要求仕様で明確化された課題や目的に関してITシステムを利用し、どうやって解決していくのかで品質が決まっていきます。
この過程の品質評価基準として、以下のような指標を用いることができます。
理解可能性 | 設計をした人間がシステム構築の目的と課題を理解しているかどうか |
完全性 | システムの課題や目的が矛盾なく解決できる設計となっているかどうか |
簡潔性 | シンプルイズベストな設計になっているかどうか |
移植性 | 他のハードウェアでも動く設計になっているかどうか |
一貫性 | 設計の記法が規約を遵守しているかどうか |
保守性 | メンテナンスが容易か |
試験性 | 各種テストが容易に実行できるか |
ユーザビリティ | エンドユーザーが直感的に動かすことができるか |
効率性 | システム稼働時にコンピュータリソースを無駄に消費しない設計になっているか |
セキュリティ | 不正アクセスからデータを守る耐性があるか |
プログラミング段階では発注者側が品質評価を行うことはあまりありません。
しかし、納品物としてソースコードの品質が高いことに越したことはありません。
コードがスパゲッティコードになっていないか、サブルーチン、クラス、ライブラリなどがルールを無視したものになっていないかなどを確認するようにしましょう。
プログラムが要求仕様にあった動作になっているかを確認するのがソフトウェアテストと呼ばれるものです。
ソフトウェアテストは、プログラムテスト、統合テスト、システムテスト、受け入れテストと細分化して行われます。
そのうちプログラムテスト、統合テスト、システムテストはプログラミング工程のテストなので、プログラミングにおける品質評価と考えても良いでしょう。
一方、受け入れテストは実際にシステム稼働領域にプログラムをインストール、システムが当初の目的と一致した動きや機能を実現しているかを確認します。
このテスト段階での品質評価は非常に重要です。システム会社選定の際には、どんなテストを行っているのか詳しく聞くようにしましょう。
オフショア開発でシステム開発会社を選ぶ際に参考になるのが、品質評価の指標です。先ほど紹介したような品質評価を実際に見ていこうと思っても判断は難しいですよね。
そこでオフショア開発において、品質評価を行うためのさまざまな指標が用意されているのです
ISO9001は、会社や組織が提供する“商品やサービス”の品質向上を目的とした品質マネジメントシステム規格のこと。
最も普及しているマネジメントシステム規格であり、全世界で170ヵ国以上、100万以上の組織が利用しています。
商品やサービスをユーザーに提供するためのプロセスがしっかりと管理されているかどうかを測ります。ISO9001では、QCDのバランスが重要なため、品質だけでなくコストや納期を意識して顧客対応をしていく必要があるのです。
ISTQBは国際ソフトウエアテスト技術者資格認定の運営組織のことを指します。総合的なスキルに関する「Core」、アジャイル開発に特化した「Agile」、AIやゲームテスターなどスペシャリスト向けの「Specialist」の3区分で構成されています。
そのうち「Core」は「Foundation」「Advanced」「Expert」の3段階のレベルに分かれています。
ISO/IEC 27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格です。情報の機密性・完全性・可用性の3つをバランスよくマネジメントし、情報を有効活用するための組織の枠組みを示しています。
情報の機密性・完全性・可用性の3つをバランスよくマネジメントし、情報を有効活用するための組織の枠組みを示しています。
CMMIとは「Capability Maturity Model Integration」の頭文字をとった言葉で、企業あるいは組織内の各プロセスをどれだけ機能させられているかを判定する指標のことを指します。
アメリカのカーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所が公開したソフトウェア開発向けの指標(CMM)が前身でしたが、その内容を豊かにし他の分野でも使いやすくしたのです。
品質評価がソフトウェア開発において重要な要素であり、オフショア開発においてもさまざまな品質評価の指標があることがわかりましたね。
DEHAソリューションズでは以下の通り、紹介した品質評価について認定を受けています。
2013年 | ISO/IEC 27001 |
2015年 | ISO 9001 |
2022年 | ISTQB「シルバーパートナー」 |
2022年 | CMMI 2.0レベル3 |
オフショア開発では開発業者の動きが見えづらい側面があります。だからこそ品質評価は重要です。
オフショア開発選定の際は、品質評価を意識してみてはいかがでしょうか。
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