ITの進化が止まらないベトナム。国策としてのIT教育が充実していて、若者のIT人口が多いのも特徴です。
そんなベトナムIT企業のランキング指標として、毎年発表されているのが「ベトナムIT企業トップ10」(前身:ベトナムIT企業 トップ50+10社)というものです。
この記事ではそんな「ベトナムIT企業トップ10」を参考に、ベトナムのIT企業の現状と課題について見ていきましょう。
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばベトナムのIT企業の現状が丸わかりですよ。
「ベトナムIT企業トップ10」とは、ベトナムにおけるIT企業のを選択、表彰し、ベトナム企業と国内外のパートナー企業の協業を拡大することなどを目的とするプログラムのことです。
2014年からベトナムソフトウェアITサービス協会(Vietnam Software Association) 主催により行われています。
ベトナムソフトウェアITサービス協会は、毎年「JAPAN ICT DAY」を開催するなど、IT業界の発展に寄与するための幅広い活動を展開している団体です。
評価委員会は、情報通信省、科学技術省、産業貿易省、計画投資省などの専門家32人名から構成されています。
ソフトウェア&ITアウトソーシング(Software & IT Outsourcing) | |
1 | CMC Global |
2 | FUJINET Systems |
3 | GMO-Z.com RUNSYSTEM |
4 | KMS Technology |
5 | NashTech |
6 | NTQ Solution |
7 | Rikkeisoft |
8 | TMA Solutions |
9 | VMO Holdings |
10 | VTI Group |
ソフトウェア輸出の分野におけるベトナムIT企業トップ10 | |
1 | CMC Global Company Limited |
2 | Joint Stock Company For Telecom & Informatics (CTIN) |
3 | FPT Corporation |
4 | FPT Information System Corporation (FPT IS) |
5 | FPT Software Co., Ltd |
6 | FPT Telecom Joint Stock Company |
7 | MobiFone Digital Services |
8 | NashTech |
9 | One Mount Group |
10 | Rang Dong Light Source & Vacuum Flask., JSC |
| BPO(Business Process Outsourcing) |
1 | Lotus Technology Services |
2 | NashTech |
3 | SPS Vietnam |
4 | USOL Vietnam |
デジタルトランスフォーメーションプラットフォーム(DX Platforms) | |
1 | FPT IS |
2 | KYANON DIGITAL |
3 | One Mount |
4 | VinBigdata |
DXサービス&ソリューション(DX Services & Solutions) | |
1 | EVNICT |
2 | FPT Corporation |
3 | KMS Technology |
4 | MK Group |
5 | MobiFone IT |
6 | NashTech |
7 | VMO Holdings |
8 | VNPT |
DXコンサルティング(DX Consulting) | |
1 | FPT Digital |
2 | Viettel Solutions |
ITサービス&ソリューション(IT Services & Solutions) | |
1 | BRAVO Software |
2 | CTIN |
3 | EVNICT |
4 | HBLAB |
5 | MobiFone IT |
6 | NaviWorld Vietnam |
7 | Sao Bac Dau |
8 | Success Software |
9 | Viet Nang |
10 | VTI Group |
デジタルコンテンツ&エンタメ(Digital Content & e-Entertainment) | |
1 | FPT Telecom |
2 | MobiFone |
以下は、技術力・人材規模・海外展開・成長性など複数の観点から選出された、2025年時点のベトナムIT企業トップ10です。
これらの企業は、それぞれ得意分野を持ちつつ、オフショア開発、クラウドソリューション、モバイルアプリ開発、AI・IoT技術などを軸に事業を展開しています。
ベトナム最大級のICT企業グループCMC Corporationの子会社であり、グローバル展開に注力。
AI・クラウド、SAP導入などに強みを持ち、日系・欧米系クライアントが多いのです。
日本市場に特化したオフショア開発会社で、ソフトウェア開発・検証業務に定評あります。
20年以上の実績を誇り、日本企業との信頼関係が厚いです。
日本のGMOインターネットグループの一員で、日本語対応・セキュリティ意識の高さが強みとなっています。
ブロックチェーン、FinTech領域でも注目されています。
アメリカ資本の企業で、アジャイル開発・テスト自動化に精通。
英語対応力が高く、米国をはじめとしたグローバル市場において強い存在感を示しています。
イギリス資本のIT企業Harvey Nash Groupの一部門。
高度なBPOサービスと組み合わせたソリューションが特徴で、欧州市場での信頼も厚いです。
医療、教育、金融分野に特化した開発実績が豊富。
DX支援やクラウドサービス、IoTソリューションの提供に力を入れています。
国内外で急成長中のスタートアップ気質の企業。AI、IoT、DX支援に注力し、2024年には日本法人も設立。
ベトナム国内のエンジニア育成にも取り組んでいます。
ベトナム最古参のIT企業の一つで、1997年設立しました。
6000人を超えるエンジニアが在籍しており、大規模プロジェクトにも対応可能。
モバイルアプリやゲーム開発に強み。
スタートアップ支援や短期プロジェクトにも柔軟に対応するフットワークの軽さが特徴となっています。
AI・機械学習・ロボティクスなど先端技術に積極投資。
日本市場をメインターゲットとし、品質と納期の安定性に評価があります。
ベトナムIT産業は、政府のデジタル経済推進政策や若年層の人口構成、教育水準の高さを背景に急速な成長を遂げています。
特にソフトウェアアウトソーシング市場は2020年代初頭から拡大を続け、2025年には約30億ドル規模に達したと見られています。
また、以下の点が同国IT産業の強みとされています。
一方で、ベトナムIT業界は以下のような課題にも直面しています。
急成長する業界に対し、供給が追いつかず優秀なエンジニアの奪い合いが発生。特に経験3年以上の人材の確保が難しく、離職率も高水準。
技術力はあるものの、品質保証や長期的な保守運用面での課題が散見される。日本企業との「報・連・相」の文化ギャップも依然として存在。
グローバル対応を進めるなかで語学力の底上げが必要。また、日本向け案件では日本語N1以上のエンジニアが慢性的に不足。
個人情報保護法制や情報セキュリティ基準が欧米諸国に比べて遅れており、グローバル競争上のリスクとなっている。
2025年以降も、ベトナムは「ポスト中国」のオフショア開発拠点として存在感を高めていくと見られています。
政府の掲げる「Made in Vietnam 4.0」政策のもと、IT産業の高度化と技術投資が進むなかで、AI・IoT・クラウド開発の分野でも世界的なプレーヤーとの競争に挑んでいます。
特に日系企業にとっては、単なる開発コスト削減ではなく、長期的な開発パートナーとしてベトナム企業を選定する動きが顕著になっています。
いかがでしたか。「ベトナムIT企業トップ10」を元にベトナムのIT企業について紹介していきました。
ベトナムのIT企業は、2025年現在、多様なニーズに応える柔軟性と高い技術力を武器に、世界市場に挑んでいます。
今回紹介したトップ10企業は、単なるオフショアパートナーではなく、技術革新やDX推進において欠かせない存在となりつつあります。
その一方で、人材不足やマネジメント課題、セキュリティ面の改善といった課題も浮き彫りになっています。これらを乗り越え、持続的な成長を遂げられるかどうかが、ベトナムIT産業の今後を左右する大きなカギとなるでしょう。
AI(人工知能)は、世界各国の経済成長を支える基盤技術として注目されています。 とりわけベトナムでは、政府が国家戦略としてAIの導入を明確に位置づけ、経済、教育、公共行政、スタートアップ育成まで多岐にわたる分野で取り組みを強化しています。 この記事では、「ベトナムAI経済2025年」レポートをもとに、マクロ経済との接続性、国家戦略、セクター別の導入状況、スタートアップ・投資動向、そして将来の展望について解説します。 ベトナムのAIが気になる方 最新のベトナムの経済動向が気になる方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばAIがもたらすベトナム経済の進化と、その背景にある政策と市場構造を総合的に理解することができます。 (more…)
近年、開発現場では「品質」「スピード」「セキュリティ」のすべてを高次元で実現することが求められています。 特に、高度な専門性や情報セキュリティが重要視される分野では、国内同様の品質と体制が前提となります。 そんな中、「No-BrSEオフショア開発」をご紹介します。 これは従来のオフショア開発におけるブリッジSE(BrSE)を介さず、日本語で直接やり取りができる完全日本語対応のラボ型開発チームを導入するモデルです。 この記事ではそんなNo-BrSE開発の特徴、メリット、適した活用シーンまでを詳しく解説します。 No-BrSEオフショア開発が気になる方 社内のIT人材が不足している方 開発の品質を高めたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばNo-BrSEオフショア開発のメリットや活用方法が丸わかりですよ。 (more…)
近年、開発コスト削減やリソース確保を目的として「オフショア開発」を導入する企業が増えています。 その中でも開発スタイルとして注目されているのが「請負型(受託型)」の契約形態です。 この記事では、請負型の基本的な概要から、メリット・デメリット、向いているプロジェクトの特徴、活用シーンまでを徹底解説します。 オフショア開発が気になる方 請負型について気になる方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばオフショア開発の請負型について メリットデメリットがわかるだけでなく活用できるシーンまで丸わかりですよ。 (more…)
安価な労働力を利用して開発コストの削減ができるオフショア開発は中国とインドが中心でしたが、近年ベトナムオフショアに注目が集まっています。 この記事ではそんなベトナムオフショアが選ばれる7つの理由について解説しています。 ・オフショア開発が気になる方・社内のIT人材が不足している事業者の方・ベトナムオフショアについて知りたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば今大注目のベトナムオフショアのことがまる分かりですよ。 (more…)
近年、スマートフォンの普及とともに、ユーザーにとって使いやすく、企業にとっても効果的なウェブ体験の提供が求められています。 そうした中で注目されているのが「PWA(Progressive Web Apps)」です。 この記事では、PWAの概要や機能、導入によるメリット、そして具体的な導入事例についてわかりやすく解説します。 PWAが気になる方 アプリ開発をしたい方 開発効率を上げたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばPWAの特徴や導入のメリットなども分かりますよ。 (more…)
アプリ開発を検討する企業や個人にとって、最初に直面する課題は「どのようにアプリを作るか」です。 そこで本記事ではアプリ開発について、どのような工程があるのかゼロから徹底解説していきたいと思います。 アプリ開発をしたい方 アプリ開発初心者の方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばアプリ開発の効率の良い方法が丸わかりですよ。 アプリ開発に関わるすべての工程や手法を理解することで、発注者としてより良い判断ができ、プロジェクトを円滑に進めることが可能になります。 (more…)