TOP ベトナム経済 「ベトナムIT企業 トップ50+10社」最新の分析

「ベトナムIT企業 トップ50+10社」最新の分析

by Van Nguyen
0 コメント

はじめに

躍進を続けるベトナム経済と、主力産業に成長しつつあるベトナムのIT業界。

そのベトナムIT企業のランキング指標として、毎年発表されているのが「ベトナムIT企業 トップ50+10社」というものです。

その詳細について分析してみましょう。

「ベトナムIT企業 トップ50+10社」とは

このプログラムは、ベトナムにおけるIT企業のトップ50社を選択、表彰し、ベトナム企業と国内外のパートナー企業の協業を拡大することなどを目的として、2014年からVINASA(*)主催により行われているものです。

(*)ベトナムソフトウェアITサービス協会(Vietnam Software Association) 

毎年「JAPAN ICT DAY」を開催するなど、IT業界の発展に寄与するための幅広い活動を展開している団体です。

2018年に項目を追加し、現在の「ベトナムIT企業 トップ50+10社」に改名されました。

その中で、「トップ50社」は

①BPO、ITアウトソーシング、KPO 

②ソフトウェア、ソリューション、ITサービス 

③デジタルコンテンツ・アプリケーション・モバイルソリューション

の3分野で選定・表彰されています。

また、「+10社」は

④「インダストリー4.0技術を応用するトップ企業」

の分野で選定・表彰されているものです。

財務、人材、市場シェア、製品、管理など、幅広い評価項目で、厳正な審査が行われています。

「ベトナムIT企業 トップ50+10社」の内訳

直近である2019年の発表における詳細は現在確認できませんが、2018年の発表内容は明らかにされているので、そちらについてみていきます。

なお、2019年の最新情報の中から、自ら公表した受賞企業名(*)を追記しています。

まず、IT企業トップ50社の内訳をみると、次のようになっています。

①BPO、ITアウトソーシング、KPO(Knowledge Process Outsourcing)分野から20社

②ソフトウェア・ソリューション・ITサービス分野から28社

(*)2019年受賞企業:・HBLAB ・Ominextグループ ・NALなど(自社公表分)

③デジタルコンテンツ・アプリケーション・モバイルソリューション分野から2社

そして、代表的テクノロジー4.0企業には、次の10社が選定されています。

・FPT情報通信(IT業界における代表的企業)

・MISA

・NashTech Vietnam

・NOVAON

・Sao Bac Dau

・Viettel

・VNEXT

・VNG・

・VNPAY

DEHA Vietnam

(*)2019年受賞企業:GMO-Z.com RUNSYSTEM(同上)

VINASAの懸念

この発表と同時にVINASAが表明したコメントによれば、ベトナムにおける各IT企業が現在共有している懸念は、第4次産業革命(*)に対応する人材が不足していることだといいます。

VINASAのグエン・ティ・トゥー・ザン会長は「IoTやAI、ロボティック、ビッグデータ、VR、AR、ブロックチェーンなどの新しいテクノロジーを担う人材の育成は、今後のベトナムIT産業の更なる発展のための大きな課題」とコメントし、懸念を示しました。

(*)第4次産業革命とは、18世紀末以降の第1次産業革命(水力や蒸気機関による工場の機械化)、20世紀初頭の第2次産業革命(分業に基づく電力を用いた大量生産)、1970年代初頭からの第3次産業革命(電子工学や情報技術を用いた一層のオートメーション化)続く、ロボット工学、AI 、ブロックチェーン、ナノテクノロジー、量子コンピュータ、生物工学、IoT 、3Dプリンター、自動運転車などの、幅広い分野における新興の技術革新を表しています。

(参考)

1.ベトナム民間企業のトップ10

ベトナムのトップ企業をリサーチし公開するVNR500が毎年発表しているもので、規模が大きく、経営活動の中で大きな成果を残したベトナム企業をたたえる目的で行われています。

2018年のベトナム民間企業のトップ10は次のとおりです。

①ビングループ

②テーゾイジードン投資

③ビナミルク

④DOJIジュエリー株式会社

⑤チュオンハイ自動車

⑥ホアファット鉄鋼グループ

⑦FPTコーポレーション

⑧ベトジェットエア

⑨VPバンク

⑩マサングループ

IT業界からは1社だけ、業界トップのFPTが7位にランキングされています。

全産業の中に占めるIT企業の立場は、新興・発展市場ということもあり、現時点ではこのような状況といえるでしょう。

2.ベトナム優良上場企業トップ10

ベトナム評価レポート社により、毎年発表されているものです。

このランキングは、2019年上半期の決算報告における財務能力、2019年1月から2019年6月までのメディアの信頼性、成長可能性とベトナム株式指数(VNインデックス)への影響度に関する専門家の評価に基づいて、各上場企業をランク付けしたものです。

【優良株グループ】

①ビナミルク

②ベトコムバン

③ビングループ

④FPT情報通信

⑤テーゾイジードン投資

⑥ベトジェットエア

⑦ホアファット鉄鋼グループ

⑧ハウザン製薬

⑨サイゴンビール・アルコール飲料

⑩軍隊銀行 

【中型株グループ】

①ホアビン建設グループ

②ダットサイングループ

③ティエンフォン・プラスチック

④TPバンク

⑤ビンホアン水産

⑥べトナム電線

⑦カンディエン不動産

⑧ペトロベトナム運輸

⑨ホーチミン市証券

⑩ファットダット不動産開発

まとめ

伸びゆくベトナムIT企業。

米中貿易戦争や、直近の新型コロナウイルス問題で、「チャイナプラスワン」としての地位をますます強固なものにしていくと思われます。

若い人材も豊富に輩出され、政府や教育機関の支援などもあり、今後も長期にわたって成長が期待されています。

一方、オフショア市場から、自国の市場開拓、そして自国でのIT収益拡大へ向けて、まだまだ課題も多く抱えています。

いずれにせよ、今後ベトナムを牽引する産業として成長するIT企業へ期待したいものです。

著者プロフィール
ペンネーム:トビウオ
マレーシア(KL)在住 海外経験はこの他にヤンゴン(2回)、ホーチミン、海外40都市への出張経験があります。
早稲田大学政治経済学部卒業 大手通信会社~大手調査会社のヘッド~ITベンダー等を経験しています。

関連記事