システム開発

Heroku+Laravel+MySQLを独自ドメインで公開する

PHPの人気のフレームワークLaravelではWebサイトの管理画面を開発することができます。

開発の手順に関しては以下の記事にて具体的に紹介をしていきました。

これらは、開発後にデプロイして利用可能な状態にしていく必要があります。

そこで本記事でHeroku+Laravelこちらの記事でFirebase+Nuxt.jsのデプロイについて解説していきます。

  • Laravelを使って構築をしたい方
  • Webサイト構築の具体的な手法が知りたい方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。このシリーズを読めばLaravel6とNuxt.jsで管理画面を作成することができますよ。

Herokuを使う理由

クラウドのインフラサービスといえば、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud Platform(GCP)が有名です。
しかし、スモールスタートならばHerokuも有力な選択肢の1つです。

エンジニアがほとんどインフラを意識しないで済みますし、初期コストが安く、Hobby プランなら 7ドル/月、Professional プランなら25ドル/月から使えるからです。

サービスが上手くいって売上もユーザー数も伸び始め、スケールが気になり始めたら、エンジニアを採用してAWSやGCPに引っ越せば良いのではないでしょうか。

今回の管理画面は社内で使う想定でスケールもしないため、Herokuを使うことにしました。

Herokuコマンドをインストール

まず以下のコマンドを実行してHerokuのコマンドをインストールします。

brew tap heroku/brew && brew install heroku

LaravelアプリケーションをHerokuへプッシュ

次に以下のコマンドを実行します。Herokuのログイン画面が表示されるので事前にアカウント登録は済ませておきましょう。

heroku login

ログインが完了したら下記のコマンドでLaravel用のアプリケーションを作成します。
Herokuは全体でユニークな名前である必要があるので、各自のアプリケーション名に置き換えるようにしましょう。

heroku create admin-nuxt-laravel-api --buildpack heroku/php

作成が完了したら、Heroku用のリモートリポジトリが登録されるので、
以下のコマンドを実行してLaravelのアプリケーションをHerokuへプッシュします。

git push heroku master:master

クレジットカードの登録

HerokuでMySQLを利用する場合、Clear DBというアドオンを追加する必要があります。
無料版の場合でもアドオンの追加にはクレジットカードの登録が求められるので、こちらから登録しておきましょう。

Clear DBアドオンの設定

クレジットカードの登録が完了したら、以下コマンドでClearDBをアドオンに追加します。

heroku addons:add cleardb

以下のような無料版のClearDB MySQLが追加されていればOKです。

次に以下のコマンドを実行してClearDBのデータベース情報を確認します。

heroku config | grep CLEARDB_DATABASE_URL

結果、以下のような内容が出力されるのでメモしておきましょう。

CLEARDB_DATABASE_URL: mysql://[ユーザー名]:[パスワード]@[ホスト名]/[データベース名]?reconnect=true

次に先程メモしておいた情報を使ってLaravelのデータベース用の環境変数を設定します。

heroku config:set DB_DATABASE=[データベース名]
heroku config:set DB_HOST=[ホスト名]
heroku config:set DB_USERNAME=[ユーザー名]
heroku config:set DB_PASSWORD=[パスワード]

これでClearDBの設定は完了です。

MySQLのインデックス用の文字列長の指定

LaravelではMySQLのバージョンが5.7.7より古い場合、インデックス用の文字列長を指定しないとマイグレーション時にエラーになります。

参考: インデックス長とMySQL/MariaDB

mysql -h <ホスト> -u <ユーザー名> -p -D <データベース名>

上記のコマンドでClearDBのMySQLのバージョンを確認できますが、最新バージョンでもMySQL5.5系のため、文字列長の指定が必要になります。

app/Providers/AppServiceProvider.php を以下のように編集すればOKです。

<?php

namespace App\Providers;

use Illuminate\Support\ServiceProvider;
//追加
use Illuminate\Support\Facades\Schema;

class AppServiceProvider extends ServiceProvider
{
    /**
     * Register any application services.
     *
     * @return void
     */    public function register()
    {
        //
    }

    /**
     * Bootstrap any application services.
     *
     * @return void
     */    public function boot()
    {
        //追加
        Schema::defaultStringLength(191);
    }
}

DBマイグレーション反映

次に以下のコマンドで修正をHerokuに反映し、マイグレーションを実行します。

git push heroku master:master
heroku run php artisan migrate

以下のように表示されればOKです。

WebサーバーにApacheを指定

以下の内容のProcfileをルートディレクトリに追加してHerokuにプッシュします。

web: vendor/bin/heroku-php-apache2 public/

これだけでWebサーバーはApacheを利用して起動するようになります。

アプリケーションキーを環境変数に設定

Laravelではcookie等の暗号化/復号化に使われるアプリケーションキーの設定が必ず必要なので、
以下コマンドで環境変数に設定します。

heroku config:set APP_KEY=$(php artisan key:generate --show)

独自ドメインの設定

今回の管理画面の認証に利用しているCookieですが、全く異なるドメイン間では送受信が出来ません。

サブドメイン間であれば可能なため、Heroku・Firebaseのデフォルトではなく独自ドメインの設定を行う必要があります。

独自ドメインを購入

まずはお名前.com等で設定したい独自ドメインを購入します。

HerokuにAPI用のサブドメインを追加

次に作成したアプリケーションのSettings > Domains の項目から、「Add domain」をクリックすると、
以下のような画面が表示されるので、購入したドメインのサブドメインをAPI用として追加します。

以下のような項目が追加されるので、
この「DNS Target」の値をCNAMEで各ドメイン事業者のDNSレコードに設定します。

お名前.comの場合は以下のような設定になります(値はサンプル用なのでダミーです)

反映後、しばらくすると設定したドメインでアクセスできるようになります。

HerokuのdynoをアップグレードしてSSLを有効化

HerokuではSSLを有効化するには有料プランにアップグレードする必要があります。
CloudFlare というCDNを利用すれば、無料でSSLを設定する方法もあるようですが、少し手間です。

Herokuは稼働分の課金制のため、すぐにfreeプランに戻せばほぼ課金されません。アップグレードしてサクッと動作確認することをオススメします。

上記の画面で、「Change Dyno Type」をクリックします。

次の画面で表示されるHobbyプランを選択してSaveします。

アップグレード後にSettings > SSL Certificates の項目を確認すると、設定が有効になっています。
証明書はLet's Encryptを利用しており自動で期限の更新も行ってくれます。

サイトを確認

設定が完了したら、https://api.独自ドメイン にアクセスしてみましょう。
SSLが有効になった状態で以下のような画面が表示されればOKです。(確認できたらDynoをFreeに戻すのを忘れずに)

おわりに

今回はHeroku+Laravel+MySQLを独自ドメイン(SSL)で公開まで行いました。
ほとんどコマンドとGUIからの操作だけでデプロイまで出来てしまいましたね。

こちらの記事で、Firebase+Nuxt.jsのデプロイを行いLaravel(API)と連携する手順を紹介しています。

合わせて確認して下さい。


本日紹介したようなものを外注してみるのはいかがでしょうか。 dehaソリューションズではオフショア開発によって低コストで迅速な開発をサポートしています。

Laravelに関して詳しくお話を聞きたい方、開発相談や無料お見積りをしたい方はこちらからご気軽にお問い合わせください。

▼ dehaソリューションへの簡単見積もりの依頼はこちら

Mai Tran

Recent Posts

【保存版・発注者向け】アプリ開発の方法についてゼロから解説

アプリ開発を検討する企業や個人にとって、最初に直面する課題は「どのようにアプリを作るか」です。 そこで本記事ではアプリ開発について、どのような工程があるのかゼロから徹底解説していきたいと思います。 アプリ開発をしたい方 アプリ開発初心者の方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばアプリ開発の効率の良い方法が丸わかりですよ。 アプリ開発に関わるすべての工程や手法を理解することで、発注者としてより良い判断ができ、プロジェクトを円滑に進めることが可能になります。 アプリを開発する4つの方法 スクラッチ開発とは スクラッチ開発とは、既存のテンプレートやツールを使わずに、プログラムのコードをゼロから書いてアプリやシステムを作る開発方法です。 完全に自由な設計ができるため、自社の業務や目的にぴったり合った機能やデザインを実現できます。 たとえば、高度な処理能力が必要なシステムや、他にはない独自の機能を持たせたい場合に最適です。 主なメリット・機能やデザインを自由に設計できる(カスタマイズ性が高い)・処理速度や操作性などのパフォーマンスを最適化しやすい・他社にはない独自機能を実装しやすい 主なデメリット・開発に時間と費用がかかる・高度な技術や専門知識が必要 スクラッチ開発は、「こだわりたいポイントが多い」「長期的に使い続けたい」システムに向いています。反対に、早く・安く始めたい場合は、別の開発手法を検討するのがよいでしょう。…

8 hours ago

チャイナプラスワンとは?製造業だけではなく、IT業界も注目

近年、製造業を中心に広がってきた「チャイナプラスワン(China Plus One、中国+1)」戦略が、IT業界でも注目され始めています。 中国に依存しすぎない経営体制を構築するためのこの動きは、製造業の枠を越え、ソフトウェア開発やITインフラといったデジタル領域にも拡大しています。 この記事では、チャイナプラスワンの概要から背景、IT業界における注目理由、そしてオフショア開発との関係性や活用事例までを詳しく解説します。 チャイナプラスワンについて知りたい方 オフショア開発に興味がある方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばチャイナプラスワンの概要がわかるだけでなく、今後の展望も分かりますよ。 (more…)

1 day ago

【2025年版】スマホ(iPhone/Android)OS端末シェアランキング(世界と日本市場)

スマートフォン市場におけるOS(オペレーティングシステム)は、ユーザー体験の根幹を担う要素のひとつです。 特に「Android」と「iOS」の二大OSは、長年にわたって競争を続けており、地域によってその勢力図は大きく異なります。 この記事では、2025年4月時点における世界および日本のスマホOSシェアを、StatCounterの最新データをもとに詳しく解説します。 OS端末シェアについて知りたい方 スマホOS別に広告出稿の戦略を立てたい人 国や地域ごとのユーザー属性やシェア構造を把握したい人 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めば世界と日本のOSシェアの特徴や違いが丸わかりですよ。 (more…)

6 days ago

【2025年版】ハイブリッドアプリ開発のおすすめフレームワークランキング5選

スマートフォンアプリ開発において、iOSとAndroidの両方に対応するハイブリッドアプリは、開発コストや工数を抑えられる点で多くの企業や開発者に選ばれています。 2025年現在、技術の進化によりハイブリッドアプリ開発フレームワークも多様化・高機能化が進み、それぞれの強みを活かす選定が重要になってきました。 この記事ではそんな2025年におすすめのハイブリッドアプリ開発フレームワークをランキング形式で5つご紹介します。 ハイブリットアプリに興味がある方 最新のハイブリットアプリについて知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばハイブリットアプリの最新情報が丸わかりですよ。 (more…)

1 week ago

要件定義とは?オフショア開発で進め方や成功のコツ

システム開発やアプリ開発において、プロジェクトの成功を左右する「要件定義」。 特にオフショア開発では、言語や文化の違いから誤解が生まれやすく、要件定義の質が成果に直結します。 この記事では、要件定義の基本から、オフショア開発での進め方、成功のコツまでを解説します。 オフショア開発に興味がある方 要件定義の仕方について知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばオフショア開発をうまく進めるための要件定義の方法が丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

BAとは?オフショア開発での役割、BrSE & ITコミュニケーターとの違いをご紹介

BA(ビジネスアナリスト)とはオフショア開発プロセスにおいて重要な役割を果たします。 彼らは、クライアントと開発チームの間で情報のやり取りを担当し、ビジネスの視点からソフトウェア開発プロジェクトを導きます。 本日はそんなBA(ビジネスアナリスト)について具体的にどう言った特徴があるのかや、BrSE(ブリッジSE)& ITコミュニケーターとの違いについて解説していきます。 BA(ビジネスアナリスト)に興味がある方 オフショア開発に興味がある方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばBA(ビジネスアナリスト)の具体的な役割が丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago