はじめに
成長著しいASEAN諸国の中でも、高度成長と日系企業進出が続き、中核となっている国がベトナムです。
今回は、海外からの、そしてベトナム国内でのビジネスにおける移動について、その環境と状況についてお話していきます。
まず最初に、我々日本人にとって最も重要となる、日本からベトナムへの移動についてみていきましょう。
日本とベトナムの移動距離は、概ね3,600kmです。
そして、日本とベトナムのそれぞれの主要都市間の移動時間は、次のように整理されます。
・ハノイ(ベトナム北部の首都)まで
成田・羽田空港から:約5時間30分
関西国際空港から:約4時間35分
中部国際空港から:約5時間30分
福岡空港から:約4時間30分
・ホーチミン(南部の商都)まで
成田・羽田空港から:約6時間
関西国際空港から:約5時間30分
中部国際空港から:約5時間55分
福岡空港から:約5時間20分
いずれも直行便を利用した場合の時間で、ほぼ毎日就航しています。
JAL、ANAはじめ、ベトナム航空、ジェットスター・パシフィック航空が運行しています。
次に、ベトナム近隣諸国からの移動ですが、ASEAN域内の主要国からは非常に近く、移動時間も短いのが特徴です。
主な国と都市をみると、
・マレーシア(KL)
・タイ(バンコック)
・インドネシア(ジャカルタ)
・ミャンマー(ヤンゴン)
といったところからは、概ね2時間前後での移動が可能です。
直行便も連日就航しています。
筆者の所属企業も、これらの国に加えてフィリピン(マニラ)、インド(グルガオン)、台湾、そして中国各地(上海・天津・大連・広州など)に展開していますが、ベトナムへの出張に際しては、日本からの移動に比べると距離や時間も短く、また利便性も高いので、ビジネス環境としては恵まれているといえるでしょう。
ベトナムの主要都市といえば、北のハノイと南のホーチミンシティ(HCMC)間の移動はもちろん飛行機で、所要時間は約2時間です。
メジャーのベトナム航空に加え、LCCのベトジェットがありますが、ローカル社員に聞くと「絶対ベトジェットは使わないでください!」といいます。
ともかく、LCCということもありますが、まず遅延、それも「大幅な遅延」が日常茶飯事のようです。
ですから、タイトな出張スケジュールを組む場合は、LCCは避けたほうが無難です。
その他、北部ハノイ近隣の工業都市・ハイフォン(ここにも多くの日系工場が進出しています)、そして中部の大都市・ダナン(同様に多くの日系企業があります)といった中核都市も産業が栄えていますが、ダナンと南北の移動はそれぞれ1時間ちょっとというところです。
この他にも、鉄道による移動手段もありますが、主に物流であり、ビジネストリップとしては論外です。
ハノイやホーチミンに着いたら、空港から市内を経由してビジネス目的地への移動となります。
ベトナムでは公共交通網が発達しておらず(ホーチミンでは公営地下鉄の建設が延びに延びて、東京オリンピックの2020年を目途に開通見込みといわれていますが)、市内の移動はもっぱらタクシーとなります。
ホーチミンでは、タクシーは、2台勢力である、VINASAN(ビナサン)社とMAI LINH(マイリン)社のグループを利用します。
逆に、この2社以外のタクシーに乗ってはいけません。
(白タクやぼったくりが横行している国でもあります。是非、注意なさってください)
この2社であればまず安全・安心です。
初乗りタクシー料金は非常に安く、日本円で60円程度で利用できます。
明朗会計で、ちゃんと料金メーターもついていますから安心です。
筆者も、ホーチミン駐在時には、たまたま知り合ったマイリングループの運転手さんと仲良くなり、ずっと「ご指名」で、専属タクシーとして利用していました。
会社がカードを発行してくれたので、清算を気にする必要もなく、日々、近隣の工業団地(事務所はHCMC市内1区のビジネス中心街にありました)まで片道1-2時間かけて営業に通っていました。
カタコトの英語で会話し、何の問題も無く移動し、打合せの合間にはその運転手さん(50歳くらいの熟年ドライバーで、とても誠実な人柄でした)にランチスポットを教えてもらい、また短時間の休息にもカフェへ案内してくれたりと、非常に便利でした。
余談ですが、その娘さんが日本に就職予定(親日国なので、日本への関心度も非常に高いです)で、時々電話でお話したりしていました。
懐かしい思い出です。
ハノイでは、マイリンに加えてハノイタクシーがメジャーです。
あとは、何といってもGRABタクシーが便利です。
プロモーションをしているので、一般のタクシーよりも2-3割ほど格安ですし、運転手の身元も確実なので安心・安全です。
簡単な市内移動であれば、GRABをお勧めします。
あとは、HCMCで筆者もたびたびGRABのバイクタクシーを利用しましたが、こちらはビジネスには不向きです。
あくまで、観光気分や余暇の楽しみとして利用しましょう。初乗り20円程度で格安に楽しめます。
みてきたように、ベトナムへの移動、また国内での移動も非常に利便性が高く、ストレスの少ないビジネストリップが可能です。
その他インフラ同様、しっかりと整った移動手段を用いて、快適なビジネストリップを楽しんでください。
著者プロフィル
ペンネーム:トビウオ
マレーシア(KL)在住 海外経験はこの他にヤンゴン(2回)、ホーチミン、海外40都市への出張経験があります。
早稲田大学政治経済学部卒業 大手通信会社~大手調査会社のヘッド~ITベンダー等を経験しています。
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