システム開発

Nuxt.jsをSSRモードでHerokuにデプロイして公開する

PHPの人気のフレームワークLaravelではWebサイトの管理画面を開発することができます。

開発の手順に関しては以下の記事にて具体的に紹介をしていきました。

また、Heroku+Laravel+MySQLを独自ドメイン(SSL)で公開する【Laravel6+Nuxt.jsで作る管理画面】の記事で、HerokuにLaravelを独自ドメイン(SSL)でデプロイする手順を解説していきました。

この記事ではNuxt.jsをデプロイして、管理画面を公開して使うことが出来るようにする方法をご紹介!

  • Laravelを使って構築をしたい方
  • Webサイト構築の具体的な手法が知りたい方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。このシリーズを読めばLaravel6とNuxt.jsで管理画面を作成することができますよ。

最低限やりたいことを決める

まずデプロイの前に、最低限やりたいことを決めておきます。
今回は実際の利用までを想定して以下の要件にしました。

● https://app.example.com/adminで管理画面にアクセスできる
● Cookieの認証機能が正常に動作する
● 管理者ユーザーの追加・編集・削除が問題なく行える

本来はadmin画面にはBasic認証をつけるべきですが、今回の記事では割愛しています。

Herokuを使う理由

前回の記事ではNuxt.jsのデプロイにはFirebaseを使うと記載していましたが、

SSR(Server Side Rendering)の場合はFirebase Hosting以外にFirebase Functionsのデプロイが必要で、
なかなか面倒なので今回は導入を見送りました。

Herokuなら静的ファイルのホスティングとSSR両方を単体で行えるため、Laravelと同じ感覚でデプロイでき、非常にシンプルなので採用しました。

HerokuにNuxt.js用のアプリを作成

まず下記コマンドでNuxt.js用のアプリをHerokuに作成します。

heroku create admin-nuxt-app --buildpack heroku/nodejs

以下のようなアプリが作られていればOKです。

Nuxt.jsをHerokuで動作させる設定を反映

次に下記コマンドを実行してプロダクション環境で動作する設定を反映します。

heroku config:set HOST=0.0.0.0
heroku config:set NODE_ENV=production

反映が完了したら、以下の内容のProcfileをルートディレクトリに追加します。

web: nuxt start

このファイルをHerokuにデプロイすれば、Nuxt.jsのサーバーを使ってアプリが起動するようになります。

Nuxt.jsアプリをHerokuへプッシュ

次に下記コマンドでNuxt.jsアプリをHerokuでプッシュします。

git add .
git commit -m 'Add Procfile'
git push heroku master

プッシュが完了したらhttps://[アプリ名].herokuapp.com/admin に以下のような画面が表示されればOKです。

独自ドメインの設定

管理画面の認証に利用しているCookieはサブドメイン間であれば送受信が可能であるため、

前回のLaravelのデプロイ時と同様に、Nuxt.js側も独自ドメインの設定を行います。

Herokuにアプリ用のサブドメインを追加

Settings > Domains の項目から、「Add domain」をクリックすると、以下のような画面が表示されるので、アプリ用のサブドメインを追加します。

以下のような項目が追加されるので、この「DNS Target」の値をCNAMEで各ドメイン事業者のDNSレコードに設定します。

設定が反映されるまで時間がかかるので、待っている間に次の作業を進めてしまいましょう。

SSLの設定

前回のLaravelのデプロイ時と同様に、HobbyプランにアップグレードしてSSLを有効化します。

APIリクエスト先の環境変数を設定(Nuxt.js側)

次に下記コマンドでAPIリクエスト先のエンドポイントを環境変数に設定します。

heroku config:set API_URL=https://api.example.com/api

Nuxt.jsでHerokuの環境変数を利用している場合、再コンパイルが必要になります。
以下コマンドで空プッシュを行うとコンパイルが実行され環境変数の内容が反映されます。

git commit --allow-empty -m "empty commit"
git push heroku master

CORSとCookie用の環境変数を設定(Laravel側)

次に下記コマンドでLaravel側の環境変数を設定します。

heroku config:set CORS_ALLOWED_ORIGIN=https://app.[ドメイン名]
heroku config:set SESSION_DOMAIN=.[ドメイン名]

SESSION_DOMAINはLaravelで異なるサブドメイン間でセッションを維持するために必要な設定です。

この設定が無いとログインした後にリロードすると、
セッションの維持が出来ずログアウトしてしまうため、必ず設定しておきましょう。

サイトを確認

設定が完了したらhttps://app.[ドメイン名]にアクセスしてログインします。

以下の画面のように管理者ユーザーの編集機能が動作していればOKです。

おわりに

今回はNuxt.jsをSSRモードでHerokuにデプロイし、Laravelと連携する所まで行いました。これで開発した内容を一般公開できるようになったかと思います。

本日紹介したようなものを外注してみるのはいかがでしょうか。 dehaソリューションズではオフショア開発によって低コストで迅速な開発をサポートしています。

Laravelに関して詳しくお話を聞きたい方、開発相談や無料お見積りをしたい方はこちらからご気軽にお問い合わせください。

▼ dehaソリューションへの簡単見積もりの依頼はこちら

Mai Tran

Recent Posts

システム開発のQCDは?プロジェクト管理を最適化

システム開発の現場では、「納期が守れない」「コストが膨らむ」「品質にばらつきがある」といった課題が常に発生します。 こうした問題の根底にあるのが、QCD(Quality・Cost・Delivery)のバランスです。 QCDは製造業を中心に使われてきた概念ですが、現在ではシステム開発やITプロジェクトの世界でも不可欠な管理指標として定着しています。 この記事では、QCDの意味とそれぞれの要素がプロジェクトに与える影響、さらに現代的な最適化の方法までを詳しく解説します。 システム開発を行いたい方 QCDについて知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばシステム開発のQCDについて丸わかりですよ。 QCDとは何か──システム開発を支える3本柱 まずはQCDの各要素について詳しく見ていきましょう。 Quality(品質) 品質とは、システムが要求仕様を正確に満たし、安定して動作することを指します。ここでいう安定性とは、想定外の入力や負荷にも耐え、継続的に正しい処理を行えることを意味します。 また性能面では、レスポンスの速度や処理効率、同時接続数への対応力などが評価されます。ユーザビリティは操作のしやすさや直感的なインターフェースを含み、セキュリティは不正アクセスや情報漏えいを防ぐ仕組みを指します。 さらに、保守性や拡張性も品質の重要な要素であり、将来的な機能追加や変更に対応できる設計であるかも考慮されます。 品質が低い場合、ユーザーの信頼を失うだけでなく、後工程での手戻り作業や修正工数が増大し、結果として開発コストや納期に大きな影響を与えます。…

2 weeks ago

アジャイル開発とウォーターフォール開発でリスクとスピードを徹底比較

システム開発の現場では、プロジェクトの進め方として「ウォーターフォール開発」と「アジャイル開発」が広く知られています。 どちらも目的は同じ──高品質なシステムを納期内に完成させることですが、そのアプローチはまったく異なります。 この記事では、特に「リスク」と「スピード」という2つの視点から両者を徹底比較し、それぞれの長所・短所、そしてどんなプロジェクトに向いているかを解説します。 アジャイル開発やウォーターフォール開発の違いを知りたい方 社内のIT人材が不足している方 システム化開発を行いたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばアジャイル開発とウォーターフォール開発のそれぞれの特徴が丸わかりですよ。 ウォーターフォール開発とは ウォーターフォール開発(Waterfall Model)は、上流から下流へと「滝のように」工程が流れる開発手法です。 要件定義 → 設計 → 実装…

2 weeks ago

ウォーターフォール開発は?システム開発の進め方、特徴

システム開発の現場では、「ウォーターフォール開発」や「アジャイル開発」といった言葉をよく耳にします。 その中でもウォーターフォール開は、最も古くから使われている伝統的な開発手法の一つです。 この記事では、ウォーターフォール開発の流れ、特徴、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。 システム開発を行いたい方 ウォーターフォール開発のメリットデメリット知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばウォーターフォール開発の進め方や特徴が丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

【必見】AIを活用した高度なデモが製品改善と市場理解にもたらす効果解説

製品やシステムの開発においてデモは、単なる機能紹介ではなく、顧客との信頼構築・製品改善・市場理解のすべてを支える重要なプロセスです。 特にAI技術が進化した現在、従来型のデモ手法では捉えきれない顧客のニーズを可視化し、より精密に対応するための「次世代型デモ」が求められています。 この記事では、DEHAが提供するAI活用型デモソリューション「SmartDemo」を中心に、システムデモの意義とその効果を詳しく解説します。 AIのデモンストレーションが気になる方 デモンストレーションの活用方法が気になる方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデモがもたらす効果が丸わかりですよ。 (more…)

3 weeks ago

リーンスタートアップ・フレームワークは?基礎知識と実践的な計画の書き方

「リーンスタートアップ」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 従来のように「時間と資金をかけて完璧な製品を作る」方法では、変化の激しい現代の市場に対応しづらくなっています。 そんな中、少ないリソースで、素早く学び、改善しながら成功確率を高める方法論として注目を集めているのが、リーンスタートアップ・フレームワークです。 この記事では、リーンスタートアップの基本的な考え方から、実際に事業計画へ落とし込むための手順までをわかりやすく解説します。 リーンスタートアップ・フレームワークについて気になる方 事業計画の書き方についてお悩みの方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばリーンスタートアップ・フレームワークの概要がわかるだけでなく、実践方法も丸わかりですよ。 (more…)

4 weeks ago

プロジェクト管理におけるシステム開発ロードマップの必要性、作り方コツ

システム開発の現場では、「納期に間に合わない」「仕様変更が頻発して混乱する」「優先順位が曖昧でチームが迷走する」といった課題が少なくありません。 これらの多くは、プロジェクトの全体像の欠如に起因しています。 開発プロジェクトを成功に導くためには、関係者全員が同じゴールと進行方向を共有することが欠かせません。 そのための強力なツールが「システム開発ロードマップ(Development Roadmap)」です。 そこでこの記事では、ロードマップの必要性、作成の手順、そして実務で役立つコツを詳しく解説します。 システム開発をしたい方 社内のIT人材が不足している方 効率よくプロジェクト管理を行いたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばプロジェクト管理のコツがわかりますよ。 システム開発ロードマップとは システム開発ロードマップとは、開発プロジェクトの全体像を時系列で可視化した計画図のことです。単なるスケジュール表ではなく、以下のような情報を統合的にまとめた「戦略的な地図」です。 開発の目的・ゴール 主要なマイルストーン(例:要件定義完了、テスト開始、リリース予定日) フェーズごとの作業内容…

4 weeks ago