オフショア開発

オフショア開発の失敗を防ぐ!開発会社の選び方

オフショア開発に不安を感じてはいませんか?

オフショア開発は失敗する…そんな噂を聞いたことがあるかもしれません。
「納期を守ってもらえなかった」「タスクの共有がうまくいかなかった」など…。

これらの問題は主にコミュニケーションが原因です。

この記事ではそんなオフショア開発での失敗をしないために、適切な開発会社の選び方を紹介します。

  • 社内のIT人材が不足している方
  • コストを抑えてIT人材を確保したい方
  • WEBサービスの構築を行いたいと思っている方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。

開発会社選びのポイントはズバリ「実績」。これを読めばオフショア開発への不安がある方も、安心してオフショア開発を行う方法が分かりますよ。

ベトナムオフショア開発の現状と課題

政治的不安や人件費の高騰などによって、中国やインドといったオフショア開発先の魅力が半減したことから、次なるオフショア開発先としてベトナムが注目され始めました。

2007年ごろのベトナムオフショアは「コストは安いが質が低い」というイメージが強く、低単価かつ簡単なタスクを委託する企業が多かったようです。

実際、以前のベトナムオフショアで、失敗を経験した日本企業も多くあるでしょう。

ですが、現在のベトナムオフショアは、かなり状況が改善しています。

ベトナムオフショア開発の現状

まずベトナムのIT人材のレベルは、年々上がってきています。ベトナムは国策として、IT人材の育成を押し進めており、年間5万人のペースで若手IT人材が輩出されています。

IT系の大学も増えており、大学のカリキュラムで最新技術を学んだ優秀なITエンジニアが多く、新人エンジニアでも即戦力になる人材が多いです。

経済産業省の「未来人材ビジョン」では社外学習や自己啓発を行っていない人の割合を国別で紹介しています。

これによると日本の45%が自己啓発を行えていない一方、ベトナムはわずか2%。ベトナムがいかに勤勉な国なのかということがわかりますね。

経済産業省「未来ビジョン」

こうした背景から、ベトナムでは日本企業とのやりとり実績があるオフショア開発会社が増えています。

そうした日本企業との実績があるオフショア開発会社は日本の文化への理解もあるので、そうでないオフショア開発会社よりも、スムーズにプロジェクトを進めてくれます。

オフショア開発失敗の原因はコミュニケーション

以前より状況は良くなりましたが、それでもまだ課題はあります。

下のグラフは「オフショア開発白書」で調査した「オフショア開発企業に感じた課題」のアンケートです。これによると、「品質管理」や「コミュニケーション力」が課題になっていることがわかります。

特に品質管理を課題として上げる声は増加傾向です。オフショア開発が一般化してきたことにより、新規参入企業が増えたことが要因と言えるでしょう。

この課題を解決するためには、品質管理を強みにしているオフショア開発企業に依頼を行うことが重要です。

しかしその一方で、そのような企業に発注側が開発を任せてしまって、イメージ通りの開発が行われないリスクがあります。

最終的な成果イメージをベンダに任せきりにするのではなく、コミュニケーションをしっかりと取り双方が納得のいく開発を行っていくことが重要なのです。

失敗しないオフショア開発会社の選び方【実績が重要!】

それでは失敗しないオフショア開発会社とは何なのでしょうか。ポイントはズバリ以下の3つです。

それぞれ見ていきましょう。

  • 依頼したい内容と類似の開発実績があるかどうか?
  • 自社が行いたい契約形態を取れるか?
  • どのくらいのリソースがあるか?

依頼したい内容と類似の開発実績があるかどうか?

一番重要なのは、オフショア開発会社の開発実績です。

  • 自社が依頼したい内容と類似の開発を行ったことがあるか?
  • 日本企業との取引実績があるか?

上記のような質問にYESと言える開発会社を選ぶと、失敗確率を下げることができます。

類似の開発実績があるということは、その開発会社に対応可能な人材が在籍していることの証明になりますし、開発ノウハウやナレッジが蓄積していることも期待できます。

日本企業との取引実績がある企業であれば、日本の文化を理解していることも多いですし、日本語対応ができることもあります。

開発実績は、最優先で確認すべき項目と言えるでしょう。

自社が行いたい契約形態を取れるか?

オフショア開発には、請負契約とラボ契約の2つの契約方法があります。

請負契約は、案件ごとに契約を行い、期限までに依頼した成果物を納品してもらう形の契約です。
ラボ契約は、開発チームを一定期間専属で抑える契約です。

依頼したい案件が単発なら請負契約を、エンジニアのリソースを強化したいならラボ契約を選ぶようにしましょう。

どちらの契約方法にも、メリットとデメリットがあるので、自社にあった契約方法を選ぶことが大事です。

オフショア開発会社によって、請負契約のみの開発会社、ラボ契約のみの開発会社、両方できる開発会社など状況が異なります。開発会社を選ぶ際は、契約形態の確認も必要です。

どのくらいのリソースがあるか?

オフショア開発会社によって、在籍しているエンジニアの数と得意分野、レベル感は全く異なります。

たとえば、PHPエンジニアが多い開発会社に、Pythonでの開発案件を依頼すると、スムーズにプロジェクトが進まないこともありえます。

またアプリエンジニアがいない開発会社にスマホネイティブアプリの開発を依頼すると、コストや開発期間の割りにプロダクトの質が低いということも起こり得るでしょう。

開発実績をみると共に、依頼先のオフショア開発会社に、どのようなエンジニアが在籍しているのかはチェックしておくべきです。

ベトナムオフショア成功のコツ

自社とマッチする開発会社と契約しても、その後の進め方に問題があれば、スムーズにプロジェクトが進まないこともありえます。

次にベトナムオフショア開発会社と、うまく付き合い、プロジェクトをスムーズに進める方法をまとめます。

明確に伝えることを意識する

日本人同士だと、「これやっておいて」という、行間を読む曖昧表現でのコミュニケーションが通じるかと思います。

ですが、ベトナムに限らず外国人エンジニアに曖昧な指示を出すと、意図した通りに指示が通らないです。

5W1Hをしっかり伝えるつもりで、なるだけ明確にゴールやタスクを伝えるようにしましょう。

また一方通行にならないように、「あなたはどう思う?」など、ベトナム人エンジニアがどのように受け取ったかを確認するのも重要です。ゴールやタスクに関して、お互いのイメージを入念に共有するようにしましょう。

合わせて読みたい>>【オフショア開発】コミュニケーションロスの課題とその解決方法とは

エンジニアリングに専念してもらう

日本では、エンジニアに対して顧客との調整やチームの管理など、エンジニアリング以外の要素も求めがちです。

ですが、言語や文化の異なるベトナム人エンジニアに対して、日本人エンジニアに求めるような調整を求めるのは避けましょう。

「英語で海外企業と的確にやりとりしつつ、高いレベルで開発業務も行える日本人」が少ないように、ベトナム人エンジニアに全てを求めるのはハードルが高いです。

ベトナムオフショアでベトナム人エンジニアを登用する際は、ブリッジシステムエンジニアという、橋渡しをする役割を設けることが多いです。

オフショア開発会社には、あくまでもエンジニアリングに専念してもらうのが、スムーズにプロジェクトを進めるコツです。

ベトナムオフショアならdehaにご相談ください

ベトナムオフショアは、以前と比べて格段に質が上がりました。その一方で、失敗したという声も聞こえてきます。

それらの失敗の多くは、コミュニケーションロスが原因です。

そうならないようにするためにも、実績のある開発会社に依頼をすること、ブリッジSEを配置することなどがポイントでしたね。

Dehaソリューションズでは、5年以上にも及ぶベトナムオフショアの実績があります。

開発実績やリソースに関してはもちろん、コスト面など気になることがございましたらご気軽にお問い合わせください。

お問い合わせいただければ、ノウハウとナレッジを元にあなたの会社にピッタリのご提案をさせていただきます。

kataokayusuke

Recent Posts

システム開発のQCDは?プロジェクト管理を最適化

システム開発の現場では、「納期が守れない」「コストが膨らむ」「品質にばらつきがある」といった課題が常に発生します。 こうした問題の根底にあるのが、QCD(Quality・Cost・Delivery)のバランスです。 QCDは製造業を中心に使われてきた概念ですが、現在ではシステム開発やITプロジェクトの世界でも不可欠な管理指標として定着しています。 この記事では、QCDの意味とそれぞれの要素がプロジェクトに与える影響、さらに現代的な最適化の方法までを詳しく解説します。 システム開発を行いたい方 QCDについて知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばシステム開発のQCDについて丸わかりですよ。 QCDとは?システム開発における基本指標 QCDとは、Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の頭文字を取ったもので、プロジェクトを成功に導く三本柱です。 この3つは相互に影響し合う関係にあり、どれか1つを優先すれば、他の要素にしわ寄せが生じることもあります。 Quality(品質) 品質とは、システムが「期待通りに動作し、ユーザーのニーズを満たしているか」という指標です。 機能面の正確さだけでなく、UIの使いやすさ、パフォーマンス、セキュリティなども含まれます。 高品質なシステムを実現するには、明確な要件定義と、テスト・レビューの徹底が欠かせません。…

3 days ago

アジャイル開発とウォーターフォール開発でリスクとスピードを徹底比較

システム開発の現場では、プロジェクトの進め方として「ウォーターフォール開発」と「アジャイル開発」が広く知られています。 どちらも目的は同じ──高品質なシステムを納期内に完成させることですが、そのアプローチはまったく異なります。 この記事では、特に「リスク」と「スピード」という2つの視点から両者を徹底比較し、それぞれの長所・短所、そしてどんなプロジェクトに向いているかを解説します。 アジャイル開発やウォーターフォール開発の違いを知りたい方 社内のIT人材が不足している方 システム化開発を行いたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばアジャイル開発とウォーターフォール開発のそれぞれの特徴が丸わかりですよ。 ウォーターフォール開発とは ウォーターフォール開発(Waterfall Model)は、上流から下流へと「滝のように」工程が流れる開発手法です。 要件定義 → 設計 → 実装…

4 days ago

ウォーターフォール開発は?システム開発の進め方、特徴

システム開発の現場では、「ウォーターフォール開発」や「アジャイル開発」といった言葉をよく耳にします。 その中でもウォーターフォール開は、最も古くから使われている伝統的な開発手法の一つです。 この記事では、ウォーターフォール開発の流れ、特徴、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。 システム開発を行いたい方 ウォーターフォール開発のメリットデメリット知りたい方 社内のIT人材が不足している方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばウォーターフォール開発の進め方や特徴が丸わかりですよ。 (more…)

6 days ago

【必見】AIを活用した高度なデモが製品改善と市場理解にもたらす効果解説

製品やシステムの開発においてデモは、単なる機能紹介ではなく、顧客との信頼構築・製品改善・市場理解のすべてを支える重要なプロセスです。 特にAI技術が進化した現在、従来型のデモ手法では捉えきれない顧客のニーズを可視化し、より精密に対応するための「次世代型デモ」が求められています。 この記事では、DEHAが提供するAI活用型デモソリューション「SmartDemo」を中心に、システムデモの意義とその効果を詳しく解説します。 AIのデモンストレーションが気になる方 デモンストレーションの活用方法が気になる方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばデモがもたらす効果が丸わかりですよ。 (more…)

1 week ago

リーンスタートアップ・フレームワークは?基礎知識と実践的な計画の書き方

「リーンスタートアップ」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 従来のように「時間と資金をかけて完璧な製品を作る」方法では、変化の激しい現代の市場に対応しづらくなっています。 そんな中、少ないリソースで、素早く学び、改善しながら成功確率を高める方法論として注目を集めているのが、リーンスタートアップ・フレームワークです。 この記事では、リーンスタートアップの基本的な考え方から、実際に事業計画へ落とし込むための手順までをわかりやすく解説します。 リーンスタートアップ・フレームワークについて気になる方 事業計画の書き方についてお悩みの方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばリーンスタートアップ・フレームワークの概要がわかるだけでなく、実践方法も丸わかりですよ。 (more…)

2 weeks ago

プロジェクト管理におけるシステム開発ロードマップの必要性、作り方コツ

システム開発の現場では、「納期に間に合わない」「仕様変更が頻発して混乱する」「優先順位が曖昧でチームが迷走する」といった課題が少なくありません。 これらの多くは、プロジェクトの全体像の欠如に起因しています。 開発プロジェクトを成功に導くためには、関係者全員が同じゴールと進行方向を共有することが欠かせません。 そのための強力なツールが「システム開発ロードマップ(Development Roadmap)」です。 そこでこの記事では、ロードマップの必要性、作成の手順、そして実務で役立つコツを詳しく解説します。 システム開発をしたい方 社内のIT人材が不足している方 効率よくプロジェクト管理を行いたい方 これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばプロジェクト管理のコツがわかりますよ。 システム開発ロードマップとは システム開発ロードマップとは、開発プロジェクトの全体像を時系列で可視化した計画図のことです。単なるスケジュール表ではなく、以下のような情報を統合的にまとめた「戦略的な地図」です。 開発の目的・ゴール 主要なマイルストーン(例:要件定義完了、テスト開始、リリース予定日) フェーズごとの作業内容…

3 weeks ago