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【スクラム開発の肝】プロダクトオーナー(PO)とは?プロジェクトマネージャー(PM)との違いを解説
2020/08/28
スクラム開発ではプロダクトオーナー(PO)がなくてはならない存在です。
しかし、初めてスクラム開発を行う企業では、従来のプロジェクトマネージャー(PM)との違いがわからず、チーム作りや各自の役割に困惑してしまうことがあります。
そこでこの記事ではスクラム開発に重要なプロダクトオーナー(PO)に関して、プロジェクトマネージャー(PM)との違いや共通点などを通して徹底解説していきたいと思います。
- プロダクトオーナー(PO)について知りたい方
- スクラム開発に興味がある方
- システム開発を行いたい方
これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばプロダクトオーナー(PO)とは何か、その違いは何なのかなど丸わかりですよ。
プロダクトオーナー(PO)とは
プロダクトオーナー(PO)はスクラムチームで価値を最大化する責任を負う一人です。
プロダクトオーナー(PO)はプロダクト開発のプロセス中で何を行うか、何を行わないかを決定することにより価値を最大化していきます。
そのために、プロダクトオーナー(PO)はプロダクトビジョン、プロダクトバックログ管理、および関係者の管理も担当しています。
プロダクトオーナー(PO)がすること
プロダクトの成功、または失敗に責任を持つ
すなわち、プロダクトオーナー(PO)は実際にプロダクトを所有し、製品に多くの価値をもたらしていく必要があります。
収益率(ROI)、予算、総所有コスト(TCO)、プロダクトのビジョンの決定、維持、共有についても責任を負うことも意味します。
バックログの管理をする
プロダクトオーナー(PO)はバックログの管理を行います。目的を最も果たし、タスクを完璧に完了できるよう、プロダクトバックログの項目を明確に記述し、それを配置するなどの作業です。
誰にとっても プロダクトバックログがいつも明確/可視性で明白であることを保証し、スクラムチームが行うことも示します。
プロダクトの管理
プロダクトオーナーはプロダクトのビジョン、目標(ビジネス)、および果たすべきの目的に向かっているため、彼らの管理を担当します。
これには、プロダクトオーナーのキーメンバーをスプリントレビューに招待すること、スプリントレビューで現在のプロダクトバックログのステータス、納品日、実施の進捗などの次の目標と目的について相談することが含まれています。
プロダクトオーナー(PO)がやらない仕事
ここからはプロダクトオーナー(PO)の仕事と間違われがちな業務について紹介します。
これらはプロダクトオーナー(PO)の仕事ではないため、プロダクトオーナー(PO)を置く場合は気をつけましょう。
秘書の仕事
プロダクトオーナーは、すべての関係者に会い、何を望んでいるかを尋ねる人ではありません。プロダクトオーナーは、関係者のすべての要求を収集することより、プロダクトの明確なビジョンを持ち、そのビジョンに関するフィードバックを収集する必要があります。
ストーリーライターの仕事
終日、ユーザーストーリー、アクセプタンステスト、またはプロダクトバックログアイテム(PBI)を書いてしかないということです。もちろん、これらはプロダクトオーナーの仕事ですが、全体ではなく一部にすぎません.
プロジェクトマネージャー(PM)の仕事
プロダクトオーナー(PO)はアジャイルプロジェクトマネージャーではなく、プロジェクト開始文書、プロジェクト計画、ガントチャートなどのプロジェクト計画を(広い範囲)作成し、管理しません。
プロダクトオーナー(PO)はチームの進捗状況を監視、測定する必要もありません。また、開発チームの人、リソース、能力を管理する必要もありません。
プロダクトオーナー(PO)はベロシティに関心を持っていますが、彼らはそれを改善することに関心はないでしょう。
サブジェクトマターエキスパート(SME)の仕事
プロダクトオーナー(PO)は、最も経験が豊富な人、ビジネスの主題について幅広い知識を持つ人、または会社でのシステムの専門家ではありません。
もちろん、プロダクト、市場、顧客などの分野に関する知識や専門知識は非常に貴重ですが、すべての詳細を知っている専門家である必要はありません。
これが、プロダクトオーナー(PO)が開発チームとも呼ばれる専門家と協力する理由でもあります。
ゲートキーパーの仕事
プロダクトオーナー(PO)は、開発チームと外部の間の唯一の連絡口ではありません。開発チームが顧客やユーザーと直接やり取りするのは製品やサービスの開発に有益があります。
その間に誰かがいる必要はありません。 したがって、プロダクトオーナー(PO)はかけ橋の人になる必要はありません。
マネージャーの仕事
プロダクトオーナー(PO)は、能率管理などのチームの能率、またはHRプロセスには責任を負いません。
もちろん、プロダクトオーナー(PO)はチームメンバーとフィードバックを共有できますが、プロダクトオーナーは「ボス」、「マネージャー」、または人事問題の責任者ではありません。
プロジェクトマネージャー(PM)とは?
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトのQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)を管理します。
さらに、組織内にグループマネージャーがいない場合は、プロジェクトマネージャー(PM)はプロジェクトサポートとチーム管理も担当します。
すなわち、プロジェクトマネージャーはチームメンバーの(作業と能率)を日常的に管理します。
プロダクトマネージャー(PM)がすること
プロジェクトマネージャー(PM)の役割は非常に広いです。
プロジェクトマネージャー(PM)の役割には多数のタスクと責任があるのです。
- ビジネス提案(ビジネスケース)の作成と管理
- 変更と変更要求(範囲、時間、および予算)の管理
- プロジェクト組織管理
- プロジェクト開始文書、プロジェクト計画、ガントチャートなどのプロジェクト計画の作成と管理…
- プロジェクト/チームの進捗状況を監視、測定
- 品質管理
- リスク管理
- プロジェクトの行政サービスの提供
- プロジェクト管理または構成管理ツールに関するコンサルティング及び案内
- 変更管理方法などの構成管理プロセスの管理
プロダクトオーナー(PO)とプロジェクトマネージャー(PM)の両方が持つべき特性とスキル
優れたプロダクトオーナー(PO)には、多くの特性とスキルが備わっています。
同じことが優れたプロジェクトマネージャーにも言えます。 では、2つの共通点は何でしょうか。
コミュニケーションスキル
プロダクトオーナー(PO)とプロジェクトマネージャー(PM)にとって、顧客、マネージャー、チームメンバー、ユーザー、サプライヤーなどのすべての関係者と十分にコミュニケーション取れている事が必要です。
リーダーシップ
それぞれの役割にとってリーダーシップは重要なスキルですが、役割ごとにリーダーシップのスタイルが異なります。
プロダクトオーナー(PO)は、よりインスピレーションとモチベーションを発揮するリーダーシップを取りましょう。
製品のビジョン、戦略、ストーリーテリングを使用して、チームや利害関係者を刺激します。
一方、プロジェクトマネージャー(PM)は、チームをやる気にさせる、プロジェクトアプローチを人々に納得させる、プロジェクトプロセスで人々をリードする事などといった行動が重要です。人々にアウトプットを提供するように導き、刺激していきましょう。
組織
プロダクトオーナー(PO)とプロジェクトマネージャー(PM)はどちらも、優れた組織スキルを持つ必要があります。
仕事を組織し、仕事と私生活のバランスをとることができるようになっていなければなりません。
さらに、どちらも、現在の状況がどこにあるのか、目的地は何か、それを達成するために何をする必要があるのか、どのような作業が必要なのかを見出し、チームメンバーが同じ方向を向いていくように組織を形成していきましょう。
プロダクトオーナー(PO)が持つべきスキル
ここからはプロダクトオーナー(PO)が特別必要なスキルについて紹介していきます。
起業家精神
最高のプロダクトオーナー(PO)は起業家です。
多くのアイデアを持ち、多くの機会を見出し、責任を持ちましょう。
また、リスクを最小限に抑えて機会をつかむための意思決定を常に意識していくことが必要です。
先見の明
優れたプロダクトオーナー(PO)は明確なビジョンを持っています。
彼らは顧客やユーザーが何を求めているか、さらになぜそれを求めているかを知っています。 彼らは常に製品の成功と長期的なビジョンに焦点を当てています。
決定力
プロダクトオーナー(PO)は、時に勇断が必要です。 彼らは多くの選択肢を提供する必要があります。 製品にとって最も重要で価値のあることを第一に考えていくことが重要です。
プロジェクトマネージャー(PM)が持つべきスキル
プロダクトオーナー(PO)同様、プロジェクトマネージャー(PM)に特別必要なスキルについて紹介していきます。
時間管理能力
時間管理は、プロジェクトマネージャー(PM)にとって非常に重要で不可欠なスキルです。プロジェクトマネージャー(PM)はプロジェクトを時間通りに終わらせることができる人でなければなりません。
プロジェクトのタイムラインを管理する必要があるため、プロセスのどの部分も通常より長くかかることがないようにする必要があります。
自分の時間を管理するだけでなく、プロジェクトマネージャー(PM)として、チームが自分の日を管理し、オフィスアワーを最大限に活用できるようにする必要があります。
交渉力
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトを順調に進め、障壁を大幅に取り除くのに役立つ強力な交渉スキルが必要です。
具体的には、プロジェクトボード、チーム、ユーザー、顧客、サプライヤーと効果的に交渉していく必要があります。
リスク管理能力
プロジェクトマネージャー(PM)は、リスク管理に優れている必要があります。 リスクを効果的に特定、管理、および対処する能力が必要です。
プロダクトオーナー(PO)とプロジェクトマネージャー(PM)共通の責任
顧客とユーザーのニーズを定義
プロダクトオーナーとプロジェクトマネージャーはどちらも、顧客とユーザーのニーズを定義します。
具体的には利害関係者と参加し、製品のために何を構築し、何を構築しないかを確認していきます。
管理するもの | |
プロジェクトマネージャー(PM) | WBS(Work Breakdown Structure)とプロジェクト計画 |
プロダクトオーナー(PO) | プロダクトバックログアイテム |
これらはすべて、製品の構築に必要なアイテムを説明しているため、非常によく似ています。ここでの大きな違いの1つは、プロジェクトマネージャー(PM)が他のユーザーのウィッシュリストを管理する一方で、プロダクトオーナー(PO)は自分のウィッシュリストを管理することです。
これは、プロダクトオーナー(PO)がプロダクトバックログを完全に制御できることを意味しますが、プロジェクトマネージャー(PM)はウィッシュリストに追加または削除するものを頻繁に指示される事になります。
時間、予算、範囲に対する責任
プロダクトオーナー(PO)とプロジェクトマネージャー(PM)の両方が、時間、予算、範囲に対する責任があります。
プロジェクトマネージャー(PM)は、理論的には固定範囲、(主に)固定予算、(主に)固定時間を管理する必要があります。
一方、プロダクトオーナー(PO)は通常、固定予算、固定時間、および柔軟な範囲を持っています。
さらに、プロダクトオーナー(PO)は予算を所有し、いつリリースするかを決定するため、より多くの制御権を持ちます。
投資収益率(ROI)に関する責任
プロダクトオーナー(PO)とプロジェクトマネージャー(PM)の両方が、投資収益率(ROI)に関与しています。
プロジェクトマネージャー(PM)は通常、プロジェクトの開始時にビジネスケースを作成する必要があります。
プロジェクトマネージャー(PM)は、定期的に運営委員会とのビジネススキームを確認し、プロジェクトを続行しても意味があるかどうかを確認する必要があります。
プロダクトオーナー(PO)とプロジェクトマネージャー(PM)責任における3つの違い
製品の成功/失敗における責任
プロジェクトマネージャー(PM)は、製品の成功または失敗について責任を負いません。 代わりに、範囲、予算、時間に関連するプロジェクトの失敗の責任を負います。
一方、スクラムでは、プロダクトオーナー(PO)が製品の成功に対する主な責任となります。 それだけでなく、プロジェクトの実施から得られる価値と結果にも責任を負います。
業務、人材、リソース、資料における責任
プロジェクトマネージャー(PM)は、作業を作成、管理、作業をチームメンバーに配布します。 利害関係者の範囲も管理するため、要件に責任を持ちます。
しかし、プロダクトオーナー(PO)はこれらの詳細を管理しません。 業務、人材、リソース、資料を管理しない代わりに、優先順位が付け簡単に理解できるタスクリスト(製品バックログ)があることを確認します。
時間、予算、範囲に対する責任
先ほど、プロダクトオーナー(PO)とプロジェクトマネージャー(PM)の両方が、時間、予算、範囲に関する責任があると言いました。しかし、これらの共通の責任には違いがあります。
プロジェクトマネージャー(PM)は主に日常業務でこれらの要素を管理していく必要があります。一方、プロダクトオーナー(PO)は価値の提供により重点を置くため、これらの要素における責任はそれほど大きくないと言えます。
代わりに、プロダクトオーナー(PO)は、顧客満足度、収益、製品使用量、総所有コストなどを測定することがよくあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。本日はプロダクトオーナー(PO)とは何かを、プロジェクトマネージャー(PM)との共通点や違いから解説をしていきました。
プロダクトオーナー(PO)は役割が多く、必要スキルが為、ボトルネックになりやすい存在でしたね。
一方で、経験豊富で情熱にあふれたプロダクトオーナー(PO)がいれば、開発チームが生み出すバリューが飛躍的に高まります。
DEHAソリューションでは、経験豊富なPO(プロダクトオーナー)がお客様のチームの一員として、開発プロジェクトに取り組んでいます。
勢いのある開発チームを構築したい際は、是非DEHA社にお問い合わせ下さい。