スクラム開発は、幅広くプロジェクト管理ができるフレームワークです。
オフショア開発においても有用なスクラム開発は、多くのチームで利用されています。
この記事では、そのスクラム開発に関して徹底解説しています。キーワードは「透明性」です。
スクラムとはアジャイル開発の1つで、小規模な開発チームがある単純なプロジェクトから数百人が参加する非常に複雑な要求があるプロジェクトに至るまで、幅広くプロジェクト管理ができるフレームワークです。
その他一定の時間枠があるプロジェクトの場合にもスクラムを応用することがきます。
アジャイル開発はオフショア開発でも注目されています。詳しくはこちらの記事で紹介しています。
そんなアジャイル開発の中でも、代表的なのがこのスクラム開発なのです。
スクラムを語る上で重要なのが透明性です。スクラムでは、透明性が最も基本的なコアバリューとして見なされます。
また、透明性と並んで重要な柱になるのが「検査 (inspection)」と「適応(adaptation)」です。それぞれ解説します。
スクラムで成功するには、開発プロセスに関連する情報が透明でなければなりません。
それらの情報には、プロダクトに関するビジョン、顧客の要件、作業進捗、困難、障害などが含まれます。
そこから、さまざまな役割を持つ全員が、作業効率を改善するための価値ある決定を行う為の必要十分な情報を手に入れます。
その為、スクラム内のツールと会議は、情報が当事者に透過的でないといけません。
スクラムでのアクティビティを常に検査することで、問題の発見と解決策が確実に得られ、プロジェクトの参加者は多様で有用な情報にアクセスすることが出来ます。
徹底的かつ継続的なレビューはスクラムの適応と継続的な改善のメカニズムの始まりです。
スクラムは、他のアジャイルソフトウェア開発方法と同じくらい柔軟性があります。 そのおかげで非常に高い適応性をもたらします。
検査、作業プロセスから得られた透明な情報に基づいて、スクラムは変化に良く対応し、プロジェクトを成功に導くことが出来ます。
スクラムの価値基準は以下の通りです。
スクラムを活用するには、これらの 5 つの価値基準を各メンバーが理解し、それぞれが、スクラムチームの目標の達成に尽力しなければいけません。
スクラムチームのメンバーは、正しく、困難な問題に取り組む勇気を持たなければいけません。
全員がスプリントの作業とスクラムチームのゴールに集中する必要があります。
スクラムチームとステークホルダーは、すべての仕事とそれらを遂行する上での課題をオープンに公開することに同意しなければいけません。
スクラムチームのメンバーは、お互いを能力のある個人として尊重しなければいけません。
スクラムチームは、プロダクトオーナー・開発チーム・スクラムマスターで構成されます。
プロダクトオーナーは、開発チームの作業とプロダクトの価値の最大化に責任を持つ人です。
プロダクトオーナーは、プロダクトバックログの管理責任を持つ人であり、目標を達成するためにプロダクトバックログの項目を明確にして、優先順位をつけます。
開発チームは生産作業に直接に関与するメンバーであります。
開発チームの務めは、プロダクトバックログ項目をプロダクトの機能に変えることです。
開発チームは各スプリントの終わりにリリース可能なプロダクトインクリメント分を生成する、3~9人のメンバーで構成されます。
開発チームの特徴は、自己管理能力((self-organized)と部門間協力( cross-functional)です。
スクラムマスターはスクラムの原則、技術、ルールに基づいて最大の生産結果をもたらす為に、スムーズにオペレーションを管理する役割です。
スクラムマスターはマネージャーではなく、チームのリーダーでもありません。
スクラムマスターはその権限の範囲内で、プロダクトオーナー、開発チーム、組織に成功をもたらすためにあらゆることを行います。
スクラム開発では、その「透明性」を見出すためにアプローチが必要です。そこで5つのイベントを規則的に行っています。これらをスクラムイベントと呼びます。
スプリントとはスクラムチームが全ての必要な作業を実行し、リリース可能なプロダクトインクリメント分を生成出来する為の1か月以下のタイムボックスのこと。
他のすべてのスクラムイベントは、スプリントの時間枠内で行います。
スプリントプランニングとはスプリント全体を準備するための各スプリントの始めに行われるイベントのことです。スプリントプランニングは、2つの異なる目的を持つ2つの部分に分かれています。
スプリントプランニングでは、以下の質問に答えていきます。
開発チームがメンバー間で作業の進捗と問題のすり合わせを短時間で行う会議をデイリースクラムと言います。
スプリントレビューとは、スプリントの終わりにインクリメントの検査と、プロダクトバックログの適応を行うことを指します。
ここではプロダクトのテストをし、プロダクトの状態について話し合う事で次の方向性を決めます。また、必要に応じてプロダクトの調整も実施します。
スプリントレトロスペクティブとはワークフローへのスクラムチームの適応能力を検査することを目的として、スプリントレビューが終わった直後に行われるスクラム内の重要なイベントです。
言い換えれば、これはスクラムチームがスプリントワークの流れを振り返って次のスプリントに活かすために必要な変更を決定する機会です。
スクラム 開発の制作物について紹介します。
プロダクトバックログは製品の必要な機能のリストを保存する場所のこと。
このリストは各項目の優先度によって配置されます。優先度が高い項目はリストの一番上にあり、開発チームが早期開発するために選択されます。
優先度が低い項目はリストの一番下にあり後で開発します。
スプリントバックログとは開発チームがスプリントで開発プロセスを管理するために使用される作業スケジュール表です。
スプリントバックログには、スプリントで開発された項目のリストかつ各項目に応して実行しなければいけない必要のあるタスクが含まれています。
インクリメントとはリリース判断可能なインクリメント(Potentially Shippable Product Increment)の略称です。
開発チームが各スプリントの終わりに作成するプロダクトのことを指します。
今回は、スクラムに関する非常に基本的な概念を紹介しました。
スクラム開発では透明性が重要でしたね。
このフレームワークを上手に使いこなせるようになる為にはチームや組織がスクラムがもたらす価値を理解し、たくさん実践する必要があります。
弊社では創業時から現在まで4年以上スクラムを適用し、様々なシチュエーションでスクラムの価値を実感してきました。
スクラム開発について興味がある方はぜひご気軽にご相談ください。
参考文献
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