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【2025年版】ベトナムオフショア開発の人月単価相場

2024/12/18

近年、IT人材不足が深刻化する日本市場では、オフショア開発の活用がますます一般的になっています。

なかでも、ベトナムは高い技術力とコスト競争力を兼ね備えた国として、依然として人気を維持しています

この記事では、2025年最新のベトナムオフショア開発における人月単価相場を役割別に解説し、日本側とベトナム側の価格差、追加料金(Add-on)の内訳、そして最新動向までを詳しくご紹介します。

  • ベトナムオフショアに興味がある方
  • 開発コストを抑えたいとお考えの方
  • 社内のIT人材が不足している方

これらに当てはまる方におすすめの記事となっています。これを読めばベトナムオフショアの具体的なコストがわかりますよ。

2025年のオフショア開発市場動向

オフショア開発とは、システムやソフトウェアの開発業務を海外の企業やチームに委託する手法です。

かつてはコスト削減が最大の目的でしたが、近年では「人材確保」や「専門スキルの活用」などの戦略的な理由で導入されるケースも増えています。

2024年のオフショア開発人気6ヵ国におけるプログラマー単価は、1人月あたり約26万円~53万円の範囲でした。

特にベトナムは、39.4万円と平均よりも低く抑えられており、コストパフォーマンスの高さから多くの日本企業に選ばれています。

ベトナムオフショア開発の特徴

ベトナムは以下の理由からオフショア開発先として選ばれやすい国です。

1. 若く優秀なIT人材の豊富さ

ベトナムには、ホーチミン工科大学やハノイ工科大学など、IT分野に強い高等教育機関が数多く存在します。

これらの大学はソフトウェア開発、AI、IoTなど幅広い分野で活躍できるエンジニアを毎年輩出しており、若く柔軟な人材層が形成されています。

2. 日本との文化的・時間的な親和性

日本との時差はわずか2時間。業務時間の大部分が重なるため、オンライン会議やチャットでのコミュニケーションがスムーズに行えます。

さらに、勤勉さや協調性を重んじる文化的価値観も近く、長期的な信頼関係の構築に適しています。

3. 政府によるIT産業振興政策

ベトナム政府はIT産業を国家戦略の柱と位置づけ、IT教育の拡充や企業支援を積極的に推進しています。

海外企業との協業促進や外資導入にも前向きで、国全体でIT分野の国際競争力を高めています。

4. 高品質かつ低コストの人材確保

高度なスキルを持つエンジニアを、他の人気オフショア拠点に比べて低コストで採用できるのも大きな魅力です。

これにより、品質を維持しつつ開発予算を最適化でき、長期的なプロジェクト運営が可能となります。

2025年版・役割別人月単価相場

日本側とベトナム側の人月単価を整理します。(単位:円)

PM(プロジェクトマネージャー)

PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクトにおける計画と実行の責任者です。ビジネス提案や、プロジェクトの進捗管理、組織の管理、品質管理など多くの仕事をこなさなくてはいけません。

  • 日本人(経験15年以上)
    日本側:1,200,000 / ベトナム側:950,000
  • ベトナム人(経験5~10年)
    日本側:950,000 / ベトナム側:850,000
  • ベトナム人(経験3~5年)
    日本側:850,000 / ベトナム側:750,000

BrSE(ブリッジSE)

ブリッジSEはクライアントからヒアリングした内容を、オフショア先の開発者に伝える、国内と海外の取りまとめの役割を担うエンジニアのことを指します。

  • 上級(経験3年以上)
    日本側:800,000 / ベトナム側:460,000
  • 初中級(経験1~3年)
    日本側:600,000 / ベトナム側:400,000

SE(システムエンジニア)

シニアエンジニアは設計なども行うエンジニアの「スペシャリスト」のことを指します。

  • 上級(経験5年以上)
    日本側:800,000 / ベトナム側:500,000
  • 初級(新卒~経験1年以下)
    ベトナム側:360,000

PG(プログラマー)

PG(プログラマー)とは、コンピュータが実行できるプログラムを作成する職種で、設計書に基づきプログラミング言語を用いてコードを記述し、動作確認や不具合修正を行います。

ソフトウェアやシステム開発において、設計を形にする重要な役割を担い、業務アプリからゲームまで幅広い分野で活躍します。

  • 上級(経験5年以上)
    日本側:480,000 / ベトナム側:380,000
  • ミドル(経験2~3年以上)
    日本側:420,000 / ベトナム側:350,000
  • 初級(新卒~経験2年以下)
    ベトナム側:320,000

QA(品質保証)

QA(品質保証)とは、製品やサービスが定められた品質基準や仕様を満たしているかを確認し、品質を維持・向上させる活動を指します。

ソフトウェア開発では、テスト計画の作成や実施、不具合の報告・改善提案を行い、利用者が安心して使える状態を確保します。開発工程全体で品質を管理する重要な役割です。

  • 中上級(経験2年以上)
    ベトナム側:300,000

コミュニケーター

コミュニケーターとは、人や組織の間で情報や意見を正確かつ円滑に伝達し、相互理解を促進する役割を担う人を指します。

  • 経験1~3年
    ベトナム側:300,000

4. 日本側とベトナム側の価格差

上記のデータから、同じ役職・スキルレベルでもベトナム側の単価は日本側の約50~70%程度に抑えられています。

例えば、経験3年以上の上級BrSEの場合、日本側では800,000円ですが、ベトナム側では460,000円と、約42%のコスト削減が可能です。

特にPMやBrSEなど上流工程に関わる役割でも、ベトナム側の単価は日本側に比べて大幅に低く、しかも日本語スキルやプロジェクト管理スキルを持つ人材を確保できる点が魅力です。

5. 2024年からの変化と背景

2024年のデータによると、ベトナムのプログラマー人月単価は39.4万円で、前年からわずかに下落していました。

しかし2025年に入り、物価上昇や人材争奪戦の激化を背景に、単価は再び上昇傾向を示しています。

特に高スキル人材の確保が難しくなっており、各社の採用競争は一層厳しさを増しています。

単価上昇の主な要因①国際的な需要増加

欧米・日本双方からオフショア開発の需要が拡大。

特に生成AI、クラウドサービス、デジタル化関連のプロジェクトが急増しています。

単価上昇の主な要因②高スキル人材の不足

要件定義や設計など上流工程の経験者、さらに日本語で顧客対応可能なBrSE(ブリッジSE)の人材確保が困難になっており、単価押し上げの一因となっています。

単価上昇の主な要因③物価・給与の上昇

ベトナム経済全体の成長に伴い、都市部の生活コストやエンジニアの平均給与が上昇しています。

これにより、オフショア開発コストも自然と引き上げられています。

こうした背景から、2025年のベトナムにおけるプログラマー単価は今後も上昇基調が続く見通しであり、発注企業は早期契約や長期的な人材確保戦略が重要となります。

6. コスト面以外のメリット・留意点

メリット1. 時差がほとんどなく、日本時間に合わせやすい

ベトナムとの時差は約2時間(日本が進んでいる)と少なく、日本時間に合わせた勤務が容易です。

リアルタイムでのコミュニケーションや進捗確認もスムーズに行えます。

メリット2. 日本文化への理解度が高い

ベトナムは日本文化やビジネスマナーへの理解が比較的深く、「報・連・相」などの習慣にも柔軟に対応できます。

そのため意思疎通がスムーズで、文化的なギャップによるストレスが少ないのが特徴です。

メリット3. 高い教育水準と旺盛な学習意欲

理工系分野を中心に教育水準が高く、特に若手エンジニアは新しい技術や開発手法の習得に積極的です。

成長意欲のある人材と長期的に関係を築ける可能性があります。

留意点1. 高スキル・高日本語人材の単価上昇

需要の増加に伴い、日本語が堪能で高いスキルを持つ人材の単価は年々上昇傾向にあります。

長期契約の場合、契約更新時に単価の見直しが行われやすい点には注意が必要です。

留意点2. スキル差のばらつきが大きい

同じ職種・ポジションでも、資格や経験年数によってスキルレベルに大きな差があります。

採用時には技術力やコミュニケーション能力を十分に見極めることが、プロジェクト成功の鍵となります。

まとめ

いかがでしたか。本日はベトナムオフショアの最新の人月単価について見ていきました。

2025年のベトナムオフショア開発における人月単価は、依然として日本国内よりも大幅に低く、コストパフォーマンスに優れています。

特にBrSEやPMなど、日本語能力や上流工程のスキルを持つ人材は人気が高く、早めの契約・確保が求められます。

今後も需要は増え続けると予想され、単価も上昇傾向にあるため、オフショア開発を検討する企業は早期のパートナー選定が成功のカギとなります。

株式会社DEHA SOLUTIONS
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ベトナムの情報通信系大学やEduTechベンチャーと連携し、潤沢なタレントプールから選りすぐりの人材を採用し、日本企業に最適化した教育を施しています
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